泊篤志の「芝居音楽、兄弟対談」vol.7
7つめのお題 飛ぶ劇場「あーさんと動物の話」
篤=泊篤志(飛ぶ劇場代表、劇作家、演出家)
達=泊達夫(飛ぶ劇場、音楽担当。泊篤志の弟)
篤 えー、お芝居で使っている音楽、オリジナル音楽ってどうやって作っているんだろう?というのを明らかにしていこう!という、芝居音楽対談も7回目になりました。
達 何でか続いちゃってるねぇ。
篤 まあ、それは達夫さんが活躍してるって証しでしょうから。
達 いやいや、貧乏暇無しとはこのことでね。ほんとありがたいことにね。
篤 さあ今回も、そんなノーギャラな対談を(苦笑)お届けします!
達 ノーギャラでも一切手を抜きません!
篤 今回は北九州公演が終ったばっかりの飛ぶ劇最新作『あーさんと動物の話』について、その楽曲の秘話を。
達 ネタバレじゃない程度にね。
篤 まだツアー6箇所残ってるしね。
達 まずは年内に、札幌、西鉄ホール
篤 そうそう、11月の第一週に札幌、二週目に西鉄ホールです。後は年明けに4箇所。
達 先は長いっすねー。
篤 長い長い。途方にくれるよ。
達 詳しくは飛ぶ劇HP(http://www.tobugeki.com)をご覧下さいませ。
篤 いやー、でも札幌は楽しみなんだわ。
達 食べ物がね。
篤 聞いたこと無い海産物がねー、いろいろあるのよ。
達 酒飲みにはたまりませんね。
篤 たまりません。あとラーメンね。
達 塩ラーメン?味噌?
篤 どっちもあるんだけどね、美味い!
達 いいっすねー。まあ僕は連れて行ってもらえないんですけどね。
篤 そろそろ芝居の、音楽の話をしようか。
達 そうね。えー、今回はたくさん歌ってるねー。
篤 主人公あーさんが歌を歌ってるって設定なんで
達 全部で何曲?
篤 11曲。こないだ寺田くんが数えたら11曲だったって。
達 でも達夫は今回、3曲しか作ってません!
篤 残りは寺田君自ら作りました。
達 寺田君、大活躍だね。主人公あーさんを演じて、ギターも弾きまくってて。
篤 セリフと絡んで歌があるところは、いつのまにか自分で作ってたのね。誰に頼まれるでなく。
達 あれ、助かったよー。このセリフ絡みのトコまで自分作るんかなーって、作るっぽいけど時間無いしなーって思ってたら。
篤 あー何か、寺田くん作ってたよってね。
達 アレでちょっと心に余裕できた。
篤 今回、達夫さんが作ったのは、冒頭に押入れの中で歌われる2曲と、ラストのメインテーマみたいな曲の合計3曲なんだけど。
達 1曲目は、尾崎豊ふうってリクエストでね。
篤 最初っからパクリ前提ってのが。
達 いいんだか悪いんだかね、楽でいいんだけど。
篤 で、2曲目が、ブルーハーツふう。
達 パクリ専門の作曲家みたいだね。悲しいねー。
篤 いやー、でも良く出来てるよ。凄い尾崎ふう、凄いブルーハーツふうで。
達 まあコステロふうとかゲンズブールふうとか言われたら凄く時間かかりそうだから、まだよかったかもね、わかりやすくてね。このコーナーでネタとして取り上げるためと勝手に解釈したけど。
篤 なわけないって!
達 ほんとかなぁ。
篤 それで、芝居の展開的に、そこからしばらくは寺田曲が続くんだけど、あの辺の曲って達夫的にはどうなの?
達 んー。
篤 まだまだだな、とか、軽く嫉妬っていうか。
達 いやいやそんな感じは全然無くて。いいねーいいねー、やるねーみたいな。
篤 あー、なるほどね。
達 まあオレも頑張ろうみたいな。
篤 あの辺は稽古しながら、細かく変えていったし、この部分は語りでとか、で、ココから熱く歌ってとか。そこに宗像くん絡んでとか。
達 しかし宗像くんは今回また凄いねぇ。
篤 魅力満載でしょ?
達 あのダンスていうか、歌が。
篤 長渕ふうのね、熱唱。
達 あれって演出なの?
篤 歌ってよっていうのは演出だけど、長渕は宗像が勝手に、いつの間にか。
達 自由に泳がせてみた感じで?いやー、やばい汁出てるわ。
篤 あのライブシーンは、ほんと毎回腹よじれるくらい笑ってみてる。ま、お客さんはどこまでどうか知らないけど。
達 あの辺の曲がまた全部寺田作曲でね。
篤 うん。キクノちゃんの歌が2曲、でライブで『カドツカサ高校演劇部の歌、入部編』『モリゾエの歌』と、タイトルの無い曲と、『あいつが俺を捨てた』という4曲、あと、『豆腐の歌』『ボチボチやりよる』とか小さめの曲。
達 アルモン情報だと、長渕の曲とコード進行同じのとかあるらしいよ。寺田君も長渕ファンだしね。一応パクリ情報でした。
篤 あーた、道連れ増やそうとしてない?
達 赤信号、皆で渡れば恐くないって言うし(笑)。
篤 (笑)いつの話だよ。えーそれで、ラストの『雨に歌おう』というメインテーマ的な。
達 これは僕が作りました。コレみたいなのをって曲を演出さまがメールでデータ送ってきて。
篤 eastern youth だね。ちょっと熱く、じっくりした歌が良いなと。
達 2曲やって、パクるのももう飽きたし、まじめにいい歌にしたいなあと思って作りました。ラストだしね。
篤 うんうん。いい歌。役者が時々口ずさんでたりするし。
達 それは嬉しいなあ。まあ僕も気に入っててよく歌ってます。
篤 自分で言っちゃうけど、詞がいいしょ?
達 ああうん。でもあれ、実は詞にもパクリ疑惑があるとかないとか。
篤 おおっと、そこに切り込みますか?
達 作曲ばかりがパクリと思われても。
篤 パクリコンビ。
達 うわー最悪だ。
篤 パクリ兄弟。
達 ユニット名としては面白いね。パール兄弟みたい。
篤 「○○ふうで、みたいな歌作りますよ」みたいな?
達 訴えられたらかっこ悪いなあ。
篤 まあその『雨に歌おう』もね。
達 詞の段階でもパクってると。
篤 とある曲の歌詞を見てて、おおこれは素晴らしい、と。
達 へえー。わーい、いただきーみたいな?
篤 (笑)いやいやいや、まあその某外国の歌なんだけど、とある映画で歌われているんだけど、その字幕の歌詞を見て、お、いいんじゃないの?と。んで、ネットで翻訳した日本語の歌詞を見つけて、何て「あーさん」に向いているんだろう、と感動しまして。
達 若干作り直した、と。
篤 いや、いいとこ取りして、だいぶ作り変えて、芝居に沿った歌詞にもちろんしまして。
達 バレないだろうと。
篤 元は英語の歌詞だしね。こんだけ変えてれば問題ないだろうと。ホント今のとこ誰にも指摘されてないし。
・・・20周年記念の豪華フルカラーパンフレットが無料配布!
達 でも、公演パンフレットに歌詞載せちゃってるのやばくない?
篤 絶対大丈夫!パクリじゃないもん。
達 影響をね、受けただけだと。
篤 もし元の歌が何だか分かったら、飛ぶ劇宛にメールください。
達 え、何か賞品が?
篤 あ、じゃあ、何かする。でも、絶対わかんないと思う。
達 やー、芝居観た人でココ読んでたら分かるんじゃないの?
篤 まあじゃあ観に来てください、西鉄ホールに。
達 宣伝に。
篤 なっちゃったね。じゃあ、今回は・・・。
達 あのー、ちょっとワタクシ事なんですけど、別の告知もいいっすか?
篤 ああ、え?
達 北九州の老舗劇団「青春座」さんの公演『俺の城-加藤清正物語』の音楽やってます。
篤 ああはい、それやってて忙しかったんだね。
篤 じゃあ次回は・・・、青春座のネタやる?
達 やー、どうかなぁ。
篤 ま、何かやります。札幌のグルメリポートとか。
達 それ音楽の話じゃないよね。
篤 (笑)ま、西鉄ホールを観に来てください!
達 それでパクリの元歌が分かったら、どうぞ指摘してください。
篤 あー次回、その種明かししてもいいかもね。
達 そうね。ちなみに僕はまだ正解を知りません。楽しみだなあ。