ヨーロッパ企画 永野宗典の対談野郎 vol.48 ゲスト:柴田有麿

シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、MIRRORLIAR FILMS Season2にて上映される短編映画「適度なふたり」の監督・柴田有麿さんと!

shibatayuma
今回のゲスト: 柴田有麿(しばたゆうま)
1989年生まれ。愛知県出身。京都造形芸術大学映画学科卒業。福岡インディペンデント映画祭優秀賞受賞、釜山独立映画祭招待作品など受賞歴多数。現在はTV・MV・CMなど活動の場を広げている。

 

永野(以下 ) MIRRORLIAR FILMS、錚々たる顔触れよね、監督&キャスト陣。決まったときはどんな心境でした?
柴田(以下 ) いやー、嬉しかったのと同時に緊張感も湧いてきました。とにかくいろんな方に観てもらいたいという一心で出品しました!
 っていうか山田孝之さんがプロデューサーだし、観てるってことよね!? 会った? 喋った? ごめんね、ミーハーなテンションで(笑)。
 恐らく観てらっしゃるかと! まだお会いできてないんですー。
 これを機に、観てもらう層がグッと変わる気がしたけど、出会いとか繋がりは増えたんじゃない?
 公開に向けてさらに繋がりがジワジワと増えていきそうです。SNSとかでも色々な方々に「適度なふたり」に触れて頂けて、これから楽しみです。
 ていうか、以前からこの作品は、結構いろんな映画祭とか、賞もらってたりしてるよね?
 そうですね。(「適度なふたり」上映歴リストを見せる。ズラリと12の映画祭に出品している)
 思ってた以上に、数あったな。
 ほんとありがたいことに、いろんなところで上映して頂いて光栄です。
 作った当時(2018年)のことは覚えてる?
 今までやってきたことを一旦忘れて作ろうと思ってました。どんどん難しいことばかり考えてたので、最初に撮った映画くらいの感覚でやりたいなと。
 それまでの作風って、淡々とした雰囲気の作風だったよね。
 そうですね、回想とか心情をナレーションで言ったりとか、説明的になるものを排除しつつ、淡々と観せていくものが多かったかと思います。
 撮影当時のことを僕も覚えてるけど、柴田くんの覚悟が違った気がする。狙いというか、意志がハッキリしてた。とにかくウケたいって言ってたと思う(笑)。
 ほんとでも、会場のヨーロッパ企画のお客さんに楽しんでもらいたい!っていうのが一番のテーマでした。
 かなりシンプルなモチベーションだね!
 結局、現場で、いつもの作風の感じとリアリティをどこに置くか、葛藤したのを今でも覚えてます。
 笑ってもらうには、多少のデフォルメが必要だったりするもんね。出演してる身としても、映画人に求められている演技と、舞台人的正攻法と、考えさせられるところがあったなあ。
 永野さんと藤谷理子さんに、色々と現場で工夫して頂いたおかげで、自分の脚本を大きく飛び立たせてもらった感じがしています。お二人にしか出来ないことをやって頂けて感謝しております。
 柴田くんを学生の頃から知ってるし、僕が監督で、柴田くんがカメラマンでこれまでたくさん仕事してきたし、今回、柴田くんがいるステージが、一段次元が上がったような気がして、なんかすごい嬉しいんよね。
 そう言って頂けてとても嬉しいです。10年近くご一緒させて頂いて、役者さんとしての熱量もさることながら、永野さんが監督の時の作品に向かう熱量、多大な影響受けてます。
 僕は、なんちゃって監督なので、たいへん恐縮ですが(汗)。新作の予定は?
 何本か脚本書いてるんですが、撮影できるのはもう少し先になりそうです。
 そっかー。柴田くんは脚本も書けるもんねー。作品は溜まってきてるんだね。これからの展望は?
 暫く短編が多かったので、長編に挑戦したいと思ってます。「適度なふたり」で色々な方々に出会うことが出来たので、その出会いも活かして映画作り出来ればと!
 京都に居続けて映像の仕事をしている理由ってなに? 仲間たちは結構東京に行ったりしてるよね?
 最近東京でお仕事することも増えてきたのですが、自分の性格的に仕事に呑まれちゃう感覚がありまして、脚本以外はそれでも良さそうなのですが、いい距離感で創作の時間を取るためにって考えてます。
 僕も東京で仕事して、京都で休んだり、モノづくりってやってきてるけど、最近、歳のせいか、移動疲れを翌日に引きずる感じになってきてて、ヤバい(笑)。近い将来また一緒に作品つくりたいな。京都でも東京でもどこでも。
 永野さんが監督する時もよかったら呼んでやってください!
 この間、オファーしたんやけど、柴田くんのスケジュールが無理やったわ。ぜひぜひ!

●MIRRORLIAR FILMS
伊藤主税、阿部進之介、山田孝之らが「だれでも映画を撮れる時代」に、自由で新しい映画製作の実現を目指して、年齢や性別、職業、若手とベテラン、メジャーとインディーズの垣根を越え、切磋琢磨しながら映画を作り上げる短編映画制作プロジェクト。「適度なふたり」が上映されるMIRRORLIAR FILMS Season2は、2022年2月18日全国順次公開。 https://films.mirrorliar.com/

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.92掲載(2022.1発行)

ピックアップ記事

関連記事一覧