ヨーロッパ企画 永野宗典の対談野郎 vol.16 ゲスト:岡本建志

シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、紙人形映画「祗園太郎 THE MOVIE」のプロデューサー・岡本建志さんと!

今回のゲスト:岡本建志
1976年大阪府出身。京都造形芸術大学映画学科にて月世界旅行社を立ち上げ、京都祇園を拠点に映画製作等の企画運営している。

永野(以下 ) 祗園太郎 THE MOVIE、国際映画祭で最優秀賞、おめでとうございます!
岡本(以下、) いえ、永野監督が作られた映画で
すので、こちらこそ本当にありがとうございます!
永 確かに僕が撮ったんですが(汗)、岡本さんからの提案がなければ無かったことなので、感謝しかないです。…じゃ、お互い讃え合う感じでいきましょうか(笑)。海外って、どこで見てもらえたんですっけ?
岡 2015年3月香港フィルムマーケット、6月ドイツ・フランクフルト、10月ソウル九老国際子ども映画祭、で、4月にロサンゼルスに招待が決まってます。香港では世界のバイヤー向けの試写会で、映画によっては試写会場にほとんどバイヤーさんがいない、また、途中退場も多いらしいんですが、祗園太郎は紙人形劇という物珍しさで結構バイヤーさんに来ていただき、最後まで観ていただける方も多くて、その時に「祗園太郎、世界に行けるんじゃないか?」って少し思いました(笑)。フランクフルトは200名ぐらいお客が入り、最初から最後まで笑って観ていただけました。
永 そもそも、今回の祇園の街を世界に発信していくプロジェクトって、どういったきっかけがあったんですか?
岡 2010年から祇園商店街振興組合さんと、毎年祇園祭の日に野外で「祇園天幕映画祭」をやってて、打ち上げの席で商店街の方から「祇園で映画作りたいね」と一言もらったのがきっかけです。その時は海外視野に、というのはなかったんですが、祇園の町を普段から見ていて、海外の人がものすごく楽しそうに観光しているので、祇園から海外へ、というコンセプトで作ってみようかなと思いました。
永 でも、そこからどのように海を越えて上映していくのか、素人としては、方法がまったく見えないんですけど…。
岡 僕も最初は全く分かりませんでした(笑)。とりあえず手探りで海外に詳しい人に話を聞いたり、京都市さんにも突撃で相談に行ったりしてたら「香港フィルマートに出展しませんか?」と声がかかりました。フランクフルトは、僕が相談していた海外映画祭に詳しい方が直接つないでいただき、映画祭側にYouTubeの試写リンクを送ったら2日後に招待が決まりました。韓国は、香港で気に入っていただけて、その時点でほぼ招待が決まり、ロサンゼルスは、韓国の映画祭のアメリカ在住の審査員に気に入っていただき招待していただけました。
永 繋がっていくんだな〜!
岡 海外に初めて出てみて、日本と変わらず、人と人のつながりが一番大事だなと思いましたね。
永 うわ!やっぱ世界を股にかける男の口から出る言葉は説得力が違いますね!
岡 そんな説得力ないです(笑)。まだ英語すらまともに話せませんし(笑)。
永 …あの、そろそろ、祗園太郎 THE MOVIE2は、作らせてもらえないんですか?
岡 企画は1つ考えてるんです。
永 …対談の途中ですが、ノリで聞かせてもらってもいいですか!?
岡 はい(笑)。祇園のお茶屋組合の方と親しくなったんですが、「祇園で舞妓の映画を作ってほしい」と言われまして。それを「祗園太郎」で実現したいなと。
永 祇園舞妓モノね! これは我々が撮らないといけませんねえ。
岡 そうなんですよ。逆に、祇園に深く入り込んだ人しか撮れない映画なんで!
永 岡本さん、お忙しいでしょうけど、映画以外でいま一番、岡本さん自身関心の高いものってありますか?
岡 もうすぐ40歳を前に、ちょっと真剣に恋したいです(笑)。
永 恋に飢えてましたか(笑)。実らせて一緒にレッドカーペット歩くっきゃないですね!

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information  永野宗典 出演情報/ドラマUR「引っ越し先は団地になりまして」全12話。WEBにて更新中。

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