ヨーロッパ企画 永野宗典の対談野郎 vol.5ゲスト:松野尾亮
シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!
限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。福岡を拠点に活動する若手人気劇団、万能グローブガラパゴスダイナモスの俳優・松野尾亮さん!
今回のゲスト:松野尾亮
福岡市出身。万能グローブガラパゴスダイナモス(略して、ガラパ)に旗揚げより役者としてほぼ全ての作品に出演。自らの作・演出『おわせてくれよ!』が九州戯曲賞最終選考にノミネート。
永野(以下永) 景気いいんですって?
松野尾(以下松) あ、いきなりそんな感じで始まるんですか(笑)。まあ、しばらくガラパの公演ツアーがあったり、合間に客演したりバタバタしてました。今年は2015年の10周年記念公演に向けてガラパで4本再演をやるのでまた忙しくなるんですが。
永 はあ~もう10周年なんだ~。じゃあ、この対談、ちょっとフライングしちゃったね。10周年おめでとう!っていう切り口で行きたかったけども。
松 じゃあ来年もう一回お願いします(笑)。ガラパとヨーロッパ企画も出会って10年とかになりますよ。
永 そうでしたか。演劇始めたのはいつからだっけ?
松 高校の演劇部からなので15歳とかですかね。大濠高校の演劇部だったんですけど、入学してすぐの部活動紹介で当時の部長だった椎木(ガラパの現・座長)が「演劇部はモテるぞ!」って言って勧誘してまして。
永 へ~。で、モテた?
松 モテましたね。
永 嘘だあ!じゃあモテたくて演劇始めたんだ?っていうか、モテる劇ってどんなのよ?教えてよ〜。
松 とにかくエンタメでしたねー。笑いをとってなんぼみたいな感じの。演劇部の先輩に劇団☆新感線のいのうえひでのりさんやギンギラ太陽’sの大塚ムネトさんがいたりしたので、その辺の系譜ですかねえ。永野さんはどんな感じだったんですか?
永 いや、僕も劇団新感線の古田さんに憧れて高校演劇部に入ったから、ちょっとカブってるねー。
松 そうだったんですね!意外だなあ。
永 でも、僕の場合はモテたくて始めた訳じゃないけどねえ。
松 演劇って特にモテるイメージないですもんね。
永 でも、モテたんでしょー?どんだけイケてたのよ。10年前と今、どっちがモテてた?
松 まあ、10年前ですね(笑)。
永 別にモテてなかったんじゃない?勘違いとかじゃない?記憶って時に嘘をつくよ。
松 なんで否定したがるんですか(笑)。そこはやっぱり新感線のDNAを受け継いでますから。
永 でもさあ、10年前にモテたくて始めて、今はモテてないんでしょ?演劇に対するモチベーションはどうなってんの?
松 いや、10年間モチベーション一緒じゃないですから(笑)。
永 ほう。モテ乞食としてずっと行ってる訳ではないと?
松 だとしたら10年もってないですね。ガラパ始めてヨーロッパ企画と出会ってからはやっぱりいろいろ変わりましたね。
永 へえ~。どういう影響があったのかな?
松 この人達楽しそう!って。いや、なんか輝いてるなあと思ったんですよ。
永 おっと。「輝いてる」か…抽象的だけど、嬉しいね。実際はだいぶ地味だけどね。まあ、楽しそうってのは大事なのかもねー。ある種、「楽しそうっ!」っていう方向でガラパにはモテたんかな?
松 モテに執着してますね(笑)。
永 君らと違ってモテ損ねてるからね。ちなみに、10年前描いていた自分の理想に今、なれていますか?
松 うわー、その質問きっついですね。あの頃の理想とは全然違うけど、こっちの方が楽しいよって言ってあげたいですね。
永 あの頃の理想って、どんなん?
松 予定ではもうバンバンテレビとかプロデュース公演とか出ててパパラッチ警戒してるはずでしたから(笑)。
永 ヨーロッパ企画と出会ってしまったばかりに!
松 ほんとや!
永 自分たちで楽しんでるうちに、気付いたら10年経っちゃって。
松 モテる方向で軌道修正してみようかな…。
永 全員、整形したら?
松 10周年で、一斉に整形して(笑)、
永 テニスのミュージカルやったらいいよ。
松 その時は客演してください。
永 整形して出なきゃいけない?
松 プチでいいので。
永 いやガチで行くわ。
●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information 2014年3/29(土)20:00~(時代劇専門チャンネルにて)ドラマ「天才脚本家梶原金八」に出演。