コラム・池谷のぶえ めずらしく体調のいい日に vol.13

舞台をはじめTVドラマ等でも活躍中の女優・池谷のぶえさんのコラム。本誌と併せてお楽しみください!

vol.13

4年ぶりのナンセンスコメディの舞台公演が終わり、一息ついているところです。かつては10年間、劇団として携わっていた故郷のような場所でありながら、「そうそうこの親戚たち手ごわかったわ…」みたいな、甘やかしちゃくれない場所でもあったことを思い出しました。
でもなんだかとても楽しかった。思いもよらない役をやらせてもらったり。通常、あんな母とかそんな母とかこんな母とか、ちょっと変なおばさんとかわりと変なおばさんとかの役が主なわけです。それはそれでありがたいのですが、新しいことに挑戦させてくれるのは新鮮で嬉しい。またいつか、ご縁がありますように…という想いとともに、大千穐楽の大阪公演から帰宅したら、「一陽来復」のお札が落ちていました…。
私のまわりの演劇界でもここ数年流行っている、早稲田の穴八幡宮の有名なお札なのですが、お札が落ちるって…それも、旅公演から帰ってきたら目の前に落ちてるって…なんでしょう…2018年上半期だけで「もうムリっす!」ってなるくらい災いを吸い取ってくれたのでしょうか。なんだか諦めきれず、もう一度貼りなおしてみたのですが、真夜中寝ている時にポトッという音でふと目覚め「あ…落ちたな…」と確信。翌朝確認すると、やはり落ちていました。わかった…もう貼らないよ…上半期そうとう頑張ってくれたんだね、おつかれさまでした。ということで、下半期何もいいことなど待っちゃいないという確信のもと生きているわけですが、早速じわじわと暗雲が立ち込めはじめています。まずは、かれこれ2週間以上生理が止まりません。石清水のように毎日コツコツと続いているわけですが、このままどこまで続けるつもりでしょうか。2週間くらいまでは少々不安にも感じていましたが、2週間を突破した現在、「おまえの好きにしたらいい…」と、なぞのダンディズムな人格が芽生え、まあ、貧血で倒れるのもやぶさかでない気持ちになっています。そして、左膝にも痛みが。足腰には自信があったので、初めての膝痛です。整形外科で調べると骨には異常ないとのことなので、ここはいっそ、身体のゆがみなど根本から総ざらいしようと、骨盤矯正に通い始めました。長年のお嬢様座りや、足を組むなどの姿勢から、私の場合骨盤がちょっと前に出ている状態とのこと。これを正しい位置に戻すには、定期的な施術とともに日々の姿勢を気を付けることが大切です。ということで、家でもピシッと生活すること数日。もう二度と足を組めないかと思うと、「会いたい人には、会える時に会っておかないと!」と、なぞのいい女風な人格が芽生え、旅行の計画ばかりする始末。お札が落ちると何かと忙しいな…と学んだので、来年はガッチガチに貼り付けます。

いけたにのぶえ/1971年生まれ、茨城県出身。俳優。幻の劇団「猫ニャー」出身。舞台を中心に活動中。

◎シアタービューフクオカvol.74掲載(2018.8発行)

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