ヨーロッパ企画 永野宗典の対談野郎 vol.22 ゲスト: 新居未希

シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、「ヨーロッパ企画の本」を出版してくださったミシマ社の新居未希さんと!

今回のゲスト:新居未希
1990年大阪生まれ。『街場の教育論』(内田樹著)、『となりのイスラム』(内藤正典著)などを刊行する出版社・ミシマ社に2013年入社。編集を担当した書籍に『選んだ理由。』(石井ゆかり著)、『愛と欲望の雑談』(雨宮まみ・岸政彦著)など。

永野(以下 ) 改めまして、『ヨーロッパ企画の本』作って頂きましてありがとうございます。
新居(以下、) いえ、とんでもないです!ヨーロッパ企画の魅力をもっとたくさんの方に知って欲しいと思っていたので、作れて本当に嬉しいです。
永 本屋にフラっと行って並んでるの見ると嬉しいです。買ってプレゼントしたりしてます、名刺代わりに。渡したら、今、知りたいことが全部書いてある!って喜ばれましたよ。
 わ、ほんとですか!作品解説とか、もっともっと細かく書いたのを読みたかったなという気持ちも、もちろんあるんですけどね。一冊じゃ伝えきれない(笑)。
永 コロコロコミックみたいな分厚さになりますよ。作る発端ってどんな感じなんでしたっけ?
 三島(ミシマ社・代表)は軽く面識があったらしいんですけど、ウェブマガジンでのインタビューで上田さんにお会いしたことが一つのきっかけです。「上田さんは絶対に三島と話が合う!」と思いました(笑)。あと、上田さんがうちの本を読んでくださっていたり、そのあと何回か一緒させて頂いて、三島もかなりテンションがあがり、『ヨーロッパ企画の本』とか面白いんじゃない? と三島に言われ「やりたいです!!!!」と。
永 動き出したのは2016年の春くらい?
 2016年の2月1日からです!
永 はっきり動き出した日が残ってるんですね。仕事の記録として残してるんですか?
 手帳に「ヨーロッパハウスで新年会」と書いてました(笑)。この日に、本を作りましょう、という話になりまして。でも、全部一応メモ残してますね。
永 飲み会の席で、なんですね。
 そうですね、ワイワイやっている中で、本作りましょう!!と。
永 できちゃった婚的な。
 既成事実つくっちゃった的な。
永 すみません、ちょっと言葉にだいぶ語弊ありました(汗)。これまでも色々と本を作ってこられてると思うんですが、今回の本の特徴ってどんなんでした? 作り方とか。
 ……正直、かなり大変な部類でした(笑)。普段は、一人の著者の方に書いて頂くことが多いんですけど、今回は本当に色んな方々に寄稿頂いたり、ヨーロッパメンバーにも少しずつ書いてもらったりと、とにかく、原稿が集まらない!(笑)。あと、作りながら構成を考えていったので、その面も大きかったです。
永 人数多いし、セッション的に膨らんでいくし、原稿集まらないし、この本完成するんかな?っていう不安もありました?
 不安というか「とにかく完成させないといけない!」という熱い意思だけありました(笑)。
永 もっとロングスパンで作るもんだと思ってたから、2/1に動き出して、9月には完成してたから、びっくりしました。20周年記念本のつもりで2年後の発行と思ってたから。とにかく本作りの勢いを肌で感じてました。
 私も、この本はヨーロッパ企画さんの中でどういう話になっているんだろう…って思ってたんです。メンバーの皆さんに、もう、どんどん図々しく行ってしまっていいんだろうか…とか。図々しくいきましたけど(笑)。
永 いやあ、なんせ初めてのことだし、何と言っても自分たちのことを本にしてくれるっていうのは、シンプルに「ありがたいー!」でしたけどね「僕ら本にして大丈夫ー!?」っていう心配もありつつ(笑)。むしろ「どんどん来て!」「文字にして!」です、僕らの気持ちは。どうなんですか、新居さん的にこの本は?
 もう、可愛くてたまらないですね!
永 あらま。可愛い息子的な感じ?
 感想とかをツイッターとかに書いて下さっているのとか見たら、全員に握手しに行きたくなります。
永 握手会やりましょうよ、編集者自ら。
 えーー!斬新すぎます!(笑)。もう全然、わたしは影武者です…! 校閲ガールみたいなものです。
永 いいじゃないですか、リアル・河野悦子として(笑)。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information 映画「本能寺ホテル」2017年1/14(土)より全国公開予定。「ヨーロッパ企画の本 我々こういうものです。」ミシマ社編 ¥1,600+税 全国書店で発売中!

◎シアタービューフクオカ vol.64掲載(2017.1発行)

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