「桐島、部活やめるってよ」8.11(土)全国ロードショー

CINEMA


(C)2012「桐島」映画部 (C)朝井リョウ/集英社

こっそり地味に映画のコーナーを始めました。
勝手に、そしてコアにお届けする「レコメンシネマ」vol.1は、シアタービューフクオカでコラムを書いていただいているハイバイの岩井秀人氏も出演する「桐島、部活やめるってよ」です。

第22回小説すばる新人賞を受賞したベストセラー小説の映画化作品

【あらすじ】
事実1 桐島はバレー部のキャプテンだった。
事実2 桐島は成績も優秀だった。
事実3 桐島の彼女は校内一の人気女子だった。
事実4 桐島は金曜日に突然部活をやめた。

ありふれた時間が校舎に流れる「金曜日」の放課後。1つだけ昨日までと違ったのは、学校内の誰もが認める“スター”桐島の退部のニュースが校内に駆け巡ったこと。彼女さえも連絡が取れずその理由を知らされぬまま、退部に大きな影響を受けるバレーボール部の部員たちはもちろんのこと、桐島と同様に学校内ヒエラルキーの“上”に属する生徒たち、そして直接的には桐島と関係のない“下”に属する生徒まで、あらゆる部活、クラスの人間関係が静かに変化していく。校内の人間関係に緊張感が張りつめる中、桐島に一番遠い存在だった“下”に属する映画部前田が動き出し、物語は思わぬ方向へ展開していく。

 

【レコメン!神木くん、いい味出してたよ!】

まず、神木隆之介くんは「桐島」ではない。あ、これみんな知ってる情報かしら?それはいいとして
観ている最中は、なんとなく自分の高校時代を思い出したりしながら、確かにこういうヒエラルキーって無遠慮にあったものだとちょっと胸の奥にチクっと何かがささる感覚があったのは確か。この映画の中のヒエラルキーのどの部分に自分が属していたのか、自分だったらこのニュース(?)をどう受け止めるんだろうとか、色々考えてしまったので、まんまと制作意図に乗せられている感は否めない。
映画を見終わった直後は、結局何の話だったんだろう?と感じたのだけど、シーンの切り取り方は、とても小説的で、まるで本を読んでいるような感じ。原作を読まずに映画を観たので、色々と小説を読んで確かめたい部分も、出てきたりして。
大体において小説を映画化するには、ある種の割り切りが必要なんだとは思うけど、吉田大八監督はこの小説をどのように理解したのかちょっと聞いてみたい。
注目して観ていたのは、テレビドラマ「11人もいる!」で、こんな演技もできるんだ!と演技の幅の広さを見せつけられ、ちょっと将来が楽しみになった神木隆之介。の、映画部顧問で、たぶん本人も映画部出身だったであろう先生役の岩井秀人。この二人のやりとりが、小劇場ノリというか、理不尽に理不尽を上乗せしたような空気感が面白かったな。
前田(神木隆之介)が終盤で顧問の先生(岩井秀人)の指示を無視して、撮りたいものを撮るんだと、ゾンビ映画を撮るんだけど、この辺なんかはミシェル・ゴンドリーの「僕らのミライへ逆回転」を彷彿させる映画愛を感じた部分だった。
ここ、好きなシーンでしたが。。。
さてさて、この映画の感触が残っている間に原作を読んでみたいと思っております。

 

「桐島、部活やめるってよ」8.11(土)T・ジョイ博多他 全国ロードショー
公式HP  http://www.kirishima-movie.com
監督:吉田大八
原作:「桐島、部活やめるってよ」朝井リョウ(集英社文庫刊)
脚本:喜安浩平 吉田大八
出演:神木隆之介 橋本愛 大後寿々花 東出昌大 清水くるみ 山本美月 松岡茉優 落合モトキ 浅香航大 前野朋哉 高橋周平 鈴木伸之 榎本功 藤井武美 岩井秀人 奥村知史 太賀

 

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