「放課後ミッドナイターズ」アジア5ヶ国同時公開中!

CINEMA


AFTER SCHOOL MIDNIGHTERS PARTNERSHIP

放課後ミッドナイターズ

夜な夜な動き出す理科室の人体模型キュンストレーキと、その相棒の博多弁を喋る骨格標本のゴスを主人公に、真夜中の学校で巻き起こる一夜の大騒動を描く映画『放課後ミッドナイターズ』。
福岡を拠点に活動する竹清仁氏が初監督を務めた、大人から子供まで楽しめるコメディー映画。

【あらすじ】

名門・聖クレア小学校の学校見学会にやって来た、スーパー幼稚園児のマコ、ミーコ、ムツコ。
三人は取り壊し予定の理科室に忍び込み、はだかんぼの人体模型・キュンストレーキを見つけ、体中に落書きをしてしまう。
夜になり、動けるようになったキュンストレーキは激怒して、彼女たちにお仕置きをしようと学校に連れてくる。
その裏で相棒の骨格標本・ゴスは、三人に伝説のメダルを集めさせ、理科室の取り壊しを阻止しようと企むが…。

 

 

【 竹清仁監督インタビュー 】

■今回の映画を福岡で作ることになったきっかけお聞かせください。

もともと映像の仕事を15年ほど福岡でやっており、東京以外でも全国的な仕事はできると思っていましたので、映画もそのまま福岡で制作することになりました。

■物語の着想はどういったことからですか?

映画のベースになっているのは7年前に作った、人体模型が一人でボケ倒すだけのショートフィルムです。それをベースに「海猿」の原作者である小森陽一さん(福岡在住)に書き起こしていただきました。
僕はドリフのようなコメディーがやりたかったんです。バカバカしいんだけど単純な動きで笑わせるという。じゃあそれ、やってみようよ、というのが始まりでした。大人でも子供でも、誰が見ても面白いと思えるコメディーを目指しました。

■「放課後の学校」というのは、大人にはちょっと懐かしい感じがしましたが、この設定にした理由はありますか?

元々は人体模型が物語の発想だったということもありますが、学校というものが社会の縮図だと思ったからなんです。
色んな教室があり、色んな学科があり、色んな人がいて、違う考え方があり、人間関係もある。それをカリカチュアすれば、色んなキャラクターが出来るだろうなというアイディアがあったので。結構キャラクターが立っていて面白いと思いますよ。

■主人公たちの動きについて、とても特殊な作り方をされているんですよね?

今回は、モーションキャプチャーという人の身体にマーカーを付けて撮影することで、その動きをデータ化する手法を用いて、人体模型やガイコツのアニメーションを作りました。だから半分アニメで、半分実写だと思っています。実際に役者の芝居の稽古から始めました。

■どうしてお稽古されたんですか?

人体模型のキャラクターというのは、一般に嫌われると思うんです。けど、主役として好きになってもらわないといけないので、人間くさい芝居がはマストだなと。だから芝居の段階で、じっくり役作りをしてから撮影に入りました。半分アニメで、半分実写なんです。

■イラストのタッチもいわゆる日本のアニメとはちょっと違うように見えたのですが、あえてそう見えるようにしたんですか?

そうですね。世界中の人に見てもらいたい、という想いもあり、日本でしかウケない、というものにならないように作ったつもりなので、そう思っていただけたならうれしいです。

■この作品の一番の見どころや、監督のおすすめポイントはどこでしょう?

色々ありますが、一番は主人公二人(キュンストレーキとゴス)のやりとりですね。実際に芝居の稽古をして、動きを確認しながら作っているので、普通のアニメとは動きが少し違って見えると思います。本当の人間同士がやっているような面白い掛け合いになっているシーンなどは見どころですね。各教室には、プールのモンスターや音楽室のモンスターなどいろんなキャラクターがいて小ネタも満載です。堅苦しいメッセージは特にない、理屈抜きに楽しめる娯楽作品が作りたかったんです。目の前に出てくる映像をそのまま受け取り、笑って楽しんでいただけたら、僕としては大成功です。

■声優の方もすごい方ばかりですね。どのように決められたのでしょう?

たくさん映画の吹替のDVD を観ながら色んな声優さんを候補に挙げていきました。最終的には5人くらいに絞ったのですが、僕が選んだ5人の声が、全て山寺宏一さんの声だったんです。全部違う声優さんの声だと思っていたので、とても驚きました。同時に、これは山寺さんにお願いするしかないと思い、思い切ってお願いしたら快く受けていただけました。田口浩正さんは、気弱なガイコツのキャラクターが博多弁なので、ネイティブの方で、さらにコメディーができる方を探していたら、田口さんに出会ったんです。田口さんにも快く受けていただき、他の声優さんたちも大御所でとても有名な方々に幸いにして受けていただけたので、豪華キャストが勢揃いしました。

■初めての映画製作でご苦労されたことはありますか?

全部大変でしたね。もちろん初めてづくしですから。制作のペースもわからなかったですし。自分たちは30km地点にいるだろうと思っていたのに、実はまだ 15km地点にしかいなかったということもありました。経験したことのない、登ったことのない山に登っている感じでした。

福岡からこういう大きな映画を作れるということは、 思いもよらないと思うんです。もちろん福岡の人が、地方にいても作れるんだ、と思うこともあるし、反対に東京や他の地方からだと、福岡で作れるの?と感じる人もいるでしょう。竹清さんは地方から映画を作って全国、世界に発信するということではパイオニアになりましたよね。そのことに対する思いはありますか?

ありますね。僕は以前、東映という制作会社にいました。もちろん大きな作品を作っている会社ではあるのですが、なにか追い立てられるような感じがして自分のペースでもの作りができなかったんですね。福岡では自分のペースでもの作りができて、情報を取りに行こうと思えば自分のペースで取りに行ける。
この作品はデジタル技術をベースに作っているので、データのやりとりも割と簡単だし、最初のコミュニケーションをきちんと築いておけば、あとはスカイプやネットでできる。というのがこの映画の作り方のいいところです。映画を作る場所としては福岡がいいです。というつもりはないですが、必ずしも東京である必要はないし、熱意と目の前の課題をクリアしていくことさえしていれば、どこにいてももの作りは出来るという証明になるといいなと思っています。
もちろん不安もたくさんあります。でも、やってみないとわからないというのが僕の信条だし、やると決めたら、何としてでもやってみる。その想いの強さは必要だと思います。

■第二の竹清さんを目指す人が、この作品によってたくさん出てくると思うのですが、そういう人たちにここを諦めないでいたら、これまではいけるよってことってありますか?

色んな側面がありますが、一番大事なことはイメージすることだと思います。イメージできれば、目標までの辿り着き方は、無限大にあるんです。しかし実際は、最初に思っていた作戦がスムーズにいくことは稀で、やってみたけどダメだったね、ということの連続なんです。行き先を見失わないために、常に成功をイメージしておくことが大事だと思っています。

■では、この作品に関しては竹清さんが描いていたイメージがこれから作られていくんですね。

そうなるといいなと思ってやり始めました。スタートした時は声優を山寺さんにやっていただけるとか、アジア同時公開というのは全く想像してなくて。まさか国内だけでも70館で上映していただけるなんて、全然予想していなかった。ただ、観てくれた人に面白いと言ってもらえるような作品を作ろうと思ってやってきました。

■イメージして実践することが大事なのですね。

そうです。実践するかしないかですね。聞いた話では、素晴らしい監督と言われる人がどんどんアイディアを出しているかというと、そんなことはないそうで、 唯一、他の人と違うのは、自分がやりたいことは諦めない。ということだそうです。つまりやるってことを決めて、あとはやれる方法を探すだけなんですね。 その話を聞いて納得できました。

■この映画は海外の映画賞に出品されたりはしないのですか?

実は、アカデミー賞に出品しているんです。現場のみんなと一緒に勢いで出品してみよう!という話になり、今はチャレンジャーの立場なので何をやってもいいと思っています。チャレンジの段階で色んなことをやってみる、というのは大事なことですから。だから僕もこの作品と一緒に冒険している感じで面白いですね。

■アニメの監督は大変ですか?

はっきり言ってしまいますが、アニメに限らず映画監督は大変です。「スターウォーズ」を作ったジョージ・ルーカスが、あれだけ素晴らしい映画を作り続けているのに、一本目の映画を作った時に、もう二度とやりたくないと言ったらしいですよ。それくらい大変すぎる。普段やっている仕事からすると常軌を逸するくらいの仕事量ですから。

■でも、次もあるんですよね?

はい、やりたいと思います。こんな大変なことをまたやるのか?とも思いますけど、それでもまた映画を作りたいと思ってしまうから不思議ですね。ただ、今は「放課後ミッドナイターズ」を観ていただいたお客様がどんな反応をされるのか、楽しんでいただけているかを見届けたい気持ちでいっぱいです。

 

 

 

 

 

「放課後ミッドナイターズ」8.25(土)T・ジョイ博多他 全国ロードショー
公式HP http://afterschool-midnighters.com/
監督:竹清仁
脚本:小森陽一 竹清仁
出演:山寺宏一 田口浩正 戸松遥  雨蘭咲木子 寿美菜子 小杉十郎太 谷育子 家中宏 茶風林 松本大 郷田ほづみ 屋良有作 大塚芳忠 黒田勇樹(アルバイト) 伊瀬茉莉也 下崎紘史 飯塚昭三

 

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