博多座で公演中の市川猿之助さんが被災地へ向けお見舞い口上&募金活動

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4月16日(土)、博多座で上演中のスーパー歌舞伎II『ワンピース』で、市川猿之助さんが熊本地震の被災地に向けお見舞いの口上が行われました。

「熊本は『ワンピース』の原作者である尾田先生の出身地でもあります。このようなときに芝居を上演して良いものかどう か、非常に悩むところでございましたが、このような時こそ演るべきだ、そして何よりもお客様が1人でもいるならば、俳優は絶対に舞台を演らなければいけな い、これが俳優の使命であると存じております。“祈り”とは何も手を合わせて祈るだけではございません。ここで皆様に大いに楽しんでいただき、大いに拍手 をしていただき、 客席と舞台が一体になることが大いなる祈りだと私は信じております。」と公演の実施に至った想いを語りました。

また、舞台の主題歌である、ゆず・北川悠仁作詩の「TETOTE」の歌詞について、「“どんなに深い暗闇だとしても、明 けない夜など絶対ありはしない、…手と手つないで、星に願うよ”、という文句が歌の中にございます。奇しくもこの今の状況の歌でございます。どうか皆様、 これを口ずさんで盛り上がっていただきたいと存じます」とメッセージを送りました。

なお、公演の二幕終了後には市川猿之助を含む出演者が客席やロビーに登場。観客らに募金の呼びかけを行いました。

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<市川猿之助丈 口上 (一部略)>

このたびは熊本の大地震、心よりお見舞いを申し上げますとともに、 本日はその交通の不便な中、かくも賑々しくご来場賜りました事、 出演者一同、関係者一同いかばかりかありがたく、 厚く厚く御礼を申し上げるしだいでございます。

このようなときに芝居を上演して良いものかどうか、非常に悩むところでございました。 また、今回の出演俳優の中には、熊本出身、大分出身、 家族が熊本にいる、大分にいると言う人もありました。

そして何よりも『ワンピース』の原作者である尾田先生の出身地が熊本でございます。

そんな中、皆で話し合いまして、今日は是非とも演るべきだ、このような時こそ演るべきだ、そして何よりもお客様が1人でもいるならば、 俳優は絶対に舞台を演らなければいけない、これが俳優の使命であると存じております。

こうして来ていただいたお客様のご期待に応えるべく、 いつもと変わりなく通常通り上演をする運びと相成りましてございます。

大好評を得まして、特にこの週末の公演は完売でございます。 しかしながらご覧いただくと空席がいくつもございます。この席は空席ではなく、来られなかった方の熱い熱い想いが詰まった席でございます。

ツイッターで避難所から投稿がございました。今日劇場へ行くつもりでございましたが、避難所から出られずに席を空けることをお許しください。その代わり劇場にいる皆さん、私の分まで楽しんでくださいという投稿でございました。

 “祈り”とは何も手を合わせて祈るだけではございません。ここで大いに楽しんでいただき、大いに拍手をしていただき、 客席と舞台が一体になることが大いなる祈りだと私は信じております。

お客様の中にはこういう時期に楽しんでいいのかと疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、どうかそういう疑問はこの上 演時間中は忘れていただきまして、大いに大いに楽しんでいただきたいと思います。 我々もいつも一所懸命でございますが、いつにも増して一所懸命、 この 思いが皆様が、また被災地の皆様に届くよう演らせていただきます。

この『ワンピース』の主題歌「TETOTE」は、ゆずの北川悠仁さんが書いてくださいました。 歌の中に、“どんなに深 い暗闇だとしても、明けない夜など絶対ありはしない…手と手を繋いで、星に願うよ”という文句がございます。この「TETOTE」は『ワンピース』の歌で あるのと同時に、奇しくもこの今の状況の歌でございます。 どうか皆様、これを口ずさんでいただきまして、大いに盛り上がっていただきたいと存じます。

震災の中、上演するべきか悩まれたという猿之助さん。震災直後から終演後に、募金活動をされたことからも、観に来てくれた観客のみなさんといっしょに、少しでも被災地の方々の支えになったらと始められました。公演もいよいよ折り返し。劇場に来られなかった方々への思いも込めて、4月26日(火)の千穐楽まで走りきってくれることでしょう。

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