11/10(金)公開『マーベルズ』竹中直人インタビュー

CINEMA

アベンジャーズ最強ヒーロー、キャプテン・マーベルの新たな物語。

アイアンマン、スパイダーマン、ドクター・ストレンジなどのヒーローが集うアベンジャーズの中で、最もパワーがあり、最も未知の力を秘めた最強のヒーローが、キャプテン・マーベル。そんな彼女の前に、ひとりでは立ち向かえないほどの強敵が出現したとしたら?マーベル・スタジオ映画史上最大の危機を描いたのが『マーベルズ』。キャプテン・マーベルの前に出現した凶悪な敵ダー・ベンは、彼女に復讐するため、彼女が愛し、守ってきたすべてのものを消滅させようとする。どんな敵も倒してきたキャプテン・マーベルが苦境に立たされる中、彼女を家族のように慕う“モニカ・ランボー”、彼女に憧れる高校生ヒーロー“ミズ・マーベル”と入れ替わる謎の現象が発生。偶然か? 運命か?
このつながりを機にキャプテン・マーベルは新たなチームを結成し、ダー・ベンに立ち向かう!

これまで10年以上に渡り、ニック・フューリー役のサミュエル・L.ジャクソンの吹き替えを担ってきた竹中直人が、ニックに対する思いや今作について語ってくれた。

長きにわたり担ってきたニック・フューリー。演じる時に心がけていることは?

竹中直人:ふと気づけば、10年以上経っていたんですね…。俳優の仕事とはまた別の集中力が必要になります。吹き替えの仕事は演じている俳優の口の動きに絶対に合っていなければなりません。かなりの集中力が必要なのでとても緊張しますね。でも、サミュエル・L.ジャクソンのリズムに言葉を合わせていく作業はとても楽しい時間です。ぴったり合った時は本当にうれしいです。

俳優としてもそうですが、我々の仕事は印象を重ねてゆく作業だと思います。観終わった後にどういう印象が残るのか…。それは人それぞれの価値観で変わってしまいますが…。見終わった後の印象が全てです。声の音色がその俳優に合っていたのか、合っていなかったのか…。

僕は映画の監督もします。ぼくの監督映画はかなりマニアックなのでごく一部の人に向かって作っている感じかな。役者として参加する場合は監督の指示に従うだけです。監督の指示に従わない俳優だとよく誤解されますが(笑)。でも誤解されない人間なんていないですものね。ま、とにかく何をするにしてもあまり深く考えずにやるのが一番だと思っています。直感を信じて。吹き替えをやる時もそうです。その場の集中力と勢いで仕事を進めて行きます。だからこそ緊張感が生まれドキドキします。それがとても楽しいですね。吹き替えの仕事は昔から憧れていたので声優をやらせて頂けるのは本当にうれしいです。

Brie Larson as Captain Marvel  ©Marvel Studios 2023

ニック・フューリーの統率力やリーダーシップを感じることは?

竹中直人:それはもちろん感じます。アベンジャーズは皆んなアクの強いヒーローばかりですからね。それを指揮していくなんて到底できることではない。しかも宇宙が相手ですからね!アベンジャーズのヒーローたちはアクが強くても皆んな魅力的です。

その中でサミュエル・L.ジャクソン演じるニックは背も高いし、体格も含め、彼の佇まいは圧倒的です。あの黒のロングコート、そしてあのアイパッチが決め手ですね。そのデザインされたスタイルが、ひとつの造形物として大きく存在しています。高身長はかなり大事なポイントです。

ぼくですか?ぼくと比べるのもおかしな話しですが…ぼくが映画を監督する時は価値観を共有できるスタッフをいかに集められるかがとても大切な作業ですね。仮に監督業をアベンジャーズに置き換えると、俳優部、美術部、照明部、撮影部、衣装部など、それぞれが僕にとってはヒーローかな。そのヒーローたちをひとりひとり集めていく作業はとても楽しいです。

10年、同じ役に関わってきた中で、変化はありましたか?

竹中直人:変化はいろいろあったと思います。『キャプテン・マーベル』の時は、若い頃のニック。アイパッチもしていないし、髪の毛もしっかりあります。いつもの黒いロングコートも着ていないしね。だからどのあたりの音色で声を出していくのかがとても難しかったです。まだあのニック・フューリーとしての造形が出来上がっていない普通の青年でしたからね。あのコスチュームあってこその声色だったので音色を見つけるまでは少し時間がかかりました。

最近ディズニープラスで配信された『シークレット・インベージョン』というニック・フューリーが主演のドラマがあるのですが、そこでもニックはアイパッチもしていないし、黒のロングコートも着ていない。タートルネックのセーターにジャケット、毛糸のニット帽という姿で普通のおじさんなんです(笑)。そしてそのドラマでのニックは腰も弱くなっていて、走ると息切れしたりね。いつものコスチュームを着ている時の声とはどうしてもイメージが違ってしまう。でも演じているのはサミュエルですからいつものニックの声で良いのですが、難しかったですね。でもその難しさが楽しい作業となるんです。

声優はやはり最初に聞いた人の声がその人のイメージを確固たるものにしますからね。だから見る人それぞれで「あっ、イメージと違う!」と言うのは常にあると思います。吹き替えによってその俳優のイメージさえ変えてしまいますからね。大変責任のあるお仕事だと思っています。

Samuel L. Jackson © Marvel Studios 2023

吹替版をずっと観てきたので、ニック・フューリー=竹中直人さんというイメージが定着してる方も多いと思います。そんな竹中さんの今回のおすすめポイントはどんなところですか?

竹中直人:賛否は常に分かれると思いますが、ニック=竹中はありがたいです。今までのニックとはかなり違います。これまでに描かれてきたニックは常にクールでしたが今回は意外にもおちゃめです。いや、かなりおちゃめなニックを見る事が出来ます。

『シークレット・インベージョン』は全体的に空気感がサスペンスドラマの様に重い雰囲気でした。そしてニックもよりリアルな人間として描かれていました。

ところが!今回は叫び声をあげたり、恐怖に慄いたり、これまでとは一味違うニック・フューリーです。それに、ニックと共に闘う女性ヒーローたちが、とっても魅力的でチャーミング!そこに最強のキャプテン・マーベルもいますからパワーにパワーが炸裂してとんでもない事が起こります!それに猫のグースがただ可愛いだけではなく、恐ろしく強大なパワーで迫ってきますからね!もう大変!!これまでの【アベンジャーズ】シリーズを観たことがないという人でもじゅうぶんに楽しめる作品だと思います!

これからのアベンジャーズ、そしてこれからのニック・フューリーに期待することは?

竹中直人:『シークレット・インベージョン』でのニックは、息切れしたり、周囲から老いを指摘されたり、かなり弱ったニックでした。だからとても心配だったんです。もしかすると『マーベルズ』で死んでしまうんじゃないかって…。ところが、全然元気だった!まだまだニック・フューリーは現役で闘い続けると確信しました!アベンジャーズとは違い、ニックは生身の人間ですが、僕にとってのニック・フューリーは一番のヒーローです。ずっと元気に悪と闘って欲しいですね!!

 

『アベンジャーズ』に出演していても違和感ないこのスタイル!

 



『マーベルズ』公開中

 

【監督】ニア・ダコスタ
【キャスト】ブリー・ラーソン、イマン・ヴェラーニ、テヨナ・パリス、サミュエル・L.ジャクソン、パク・ソジュン ほか
【日本版声優】水樹奈々、松岡美里、村中知、竹中直人、江口拓也 ほか

【公開劇場】ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13、T・ジョイ博多、TOHOシネマズららぽーと福岡、TOHOシネマズ天神・ソラリア館、ユナイテッド・シネマ 福岡ももち ほか

https://marvel.disney.co.jp/movie/marvels

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