9/4(金)公開『リスタートはただいまのあとで』古川雄輝インタビュー

CINEMA

古川雄輝×竜星 涼“ダブル主演・初共演”で贈る、癒し系“純愛BL映画”が誕生。 小さな田舎町で出会った正反対の二人。あったかくて大切な宝物に変わってゆく

ツンデレ男子と方言おっとり男子の純愛を描いた同名BLコミックを実写映画化。撮影が行われた長野県千曲市と上田市の美しい自然を背景に、都会の生活に疲弊して10年ぶりに田舎に帰ったツンデレ男子が、手伝いに行った農園で心優しい男子に惹かれていく。本作で狐塚光臣を演じた古川雄輝にインタビュー。

◆この作品は人間としての成長みたいなものと恋愛の感情の変化のようなものがあると思いますが、意識して演じられていたことはありますか?

古川雄輝:僕が演じた光臣というキャラクターはもともと同性愛者ではなくて、人として自分とは正反対の性格の大和に影響を受けて、気づいたら彼を、同性ですけど好きになってしまったというキャラクターです。なので恋愛的な感じよりも、そこに至るまでの過程が役作りとしては難しい部分だなと思いました。あとは親父との確執というか、これも愛情ではありますが、親父との愛情があるゆえのやり取りも難しいなと思いました。この映画はひとつの作品の中で色んなテーマがあるので、それが1つ一つ順を追った感情の変化がなければいけないので、今回は細かくこんな風にやった方がいいんじゃないかと監督には相談をしました。
監督は今回、長編映画を初めて撮られるということで、作品への思いも強かったこともあり、監督が描いている光臣像をうかがいつつ、ディスカッションをしながら役を作っていったという感じです。

◆印象的だったのは、甲本雅裕さん演じる父親とのシーンでした。俳優の先輩である甲本さんと一緒にお芝居をしてみて、気づくことや勉強になったことなど印象に残っていることはありますか?

古川雄輝:甲本さんと初めてご一緒したのは、作品の中盤で僕が実家に帰るシーンだったんですけど、甲本さんはテストの時に、とても威厳のある頑固親父な感じでお芝居をされていて、それまで演じてきていた光臣では返せないくらいのパワーを感じて、そのお芝居に応えようと思って演じたシーンなので、とても大好きなシーンがあったんですが、残念ながら本編には使われていなかったのですが(笑)、その一緒にお芝居をした感じは忘れられないです。ただ撮影後のメイク室で、役柄の事や芝居についてなどたくさんお話を聞いていただいたので、本当にご一緒出来て勉強になりましたし、うれしかったです。なので、本当の父親のように相談に乗っていただきました。

◆撮影で印象に残っていることは?

古川雄輝:長野県で撮影をしていて、空き時間が1日ちょっとあったんですが、その時におやきを食べたり、杏が有名だと聞いていたので、杏プリンをいただいたり、美味しいものをたくさんいただきました。それに原作の世界観を踏襲した場所でロケをやっていたので、作品に入る上ですごくやりやすい環境でした。

◆竜星涼さんと共演されてみていかがでしたか?

古川雄輝:役柄の光臣と大和のように、僕ら自身の性格も違っていたんです。竜星涼くんは撮影中も地元の方と飲みに行ったりしてコミュニケーションを取られていたのですが、僕は帰ってホテルで本を読んでいたりすることが多かったので、役を演じる上ではぴったりだったなと思っています。

◆原作を読まれた感想は?

古川雄輝:僕が思い描いていたBL作品とは全然違っていて、映画のコピーにも「純愛BL」とありますが、まさにその意味がよく解ったと思いました。一般的にBLと聞いてイメージするような作品ではなかったので、おもしろかったです。

◆BL作品に出演する抵抗みたいなものはなかったんですか?

古川雄輝:全然なかったですよ(笑)。男性同士のキスシーンも以前にやったこともありましたし。抵抗はなかったですね。

◆今回、初めてリモートでの舞台挨拶を福岡でされますが、いまのお気持ちは?
(舞台挨拶前に取材をさせていただきました)

古川雄輝:正直、福岡に行きたかったんですよ。ホントに残念です。一瞬しか福岡に行ったことがなくて、その時に屋台に行きたいと言ってたんですが、実現しなかったんです。行ったことがないので、行きたいですね。

◆古川さんは、今年で俳優生活10年を迎えられましたよね。この10年で、この作品のようにリスタートではないですが、転機になったような印象的な出来事はありましたか?

古川雄輝:数年前に、イギリスで舞台をやったんです。ロイヤル・シェイクスピアカンパニーの方々といっしょにお芝居をしたんです。僕自身が帰国子女で英語を使った作品に参加したいという気持ちもあったので、転機ではないですけど、とても刺激になりました。日本のきちんとした作品作りとはまたちがっていて、主役がその作品を引っ張っていくというよりは、同じ板の上に載っているなら、みんなでいい芝居を作ろうという意識がとても強いんです。それに自由度がすごく高い。俳優たちも、今は僕が主演だけど、次の作品は君が主演になるかもしれない。同じ板の上に立っているのなら、みんなでいい作品を作ろうという感じなんです。転機とまではいかなくても、僕自身とても刺激になりました。

◆確かに、イギリスの舞台の捉え方って日本とは全然違いますよね。

古川雄輝:イギリスはどこでも舞台作品を上演していて、生活に根付いているんですよ。週末だとみんな観に行く、みたいな。評価もリベラルで、いいことだけじゃなくて、悪い芝居は悪いって書かれてしまう。

◆演劇や映画に限らず、海外の作品にチャレンジしてみたいという思いはありますか?

古川雄輝:そうですね。国を問わずチャレンジしていきたいですね。中国でもお仕事をさせていただいていますし。活動の場を日本だけでなく、色んな場所でできる時代になってきていると思うんです。色んな作品に参加できたらいいなと思っています。

◆最後にこれからご覧になるみなさんにメッセージをお願いします。

古川雄輝:観た後にほっこりする映画で、色んな形の愛が描かれている作品ですので、これをみてたくさん元気をもらっていただけるとうれしいです。

 

ヘアメイク:赤塚修二(メーキャップルーム)
スタイリスト:五十嵐堂寿

 

9/4(金)『リスタートはただいまのあとで』全国ロードショー

【監督】井上竜太
【出演】古川雄輝 竜星涼 甲本雅裕

©2020映画「リスタートはただいまのあとで」製作委員会

https://restart-movie.com/

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