ヨーロッパ企画 永野宗典の対談野郎 vol.2ゲスト:菅原永二

シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
前号からスタイルを一新!新コラムはなんと対談形式。
webでもダブル掲載スタート!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、ヨーロッパ企画本公演に客演していただいている菅原永二さんと!

sugawara今回のゲスト:菅原永二
東京都出身。舞台・映像・ナレーション等、ほか現在フリーで活動中。

永野(以下) 俳優やってて落ち込んだりすることはありますか?
菅原(以下) 急だね。
字数制限あるんで。あんまり菅原さんってそういう浮き沈みがなさそうだなあと思って。
たくさんあるよ。
あら、意外!落ち込んだ時は、誰かに話す方ですか? 溜め込む方ですか?
話します。が、深刻にはしません。
一番よく話してんな~っていう俳優仲間はいますか?
うーん…後輩の山中崇くんとは話しますね。あとは同級生の北村有起哉とかオトコ岩井秀人とか荒川良々とかかなー。
頼もしい面々だこと(笑)。
でも基本、ほとんど芝居の話しないです、飲んでるだけです。
今、一緒にやってるヨーロッパ企画の本公演、悩みとか気になることとかはないですか?
全く。京都に来てから悩みやストレスが一切ないんです。東京に戻るのが面倒なくらい。部屋借りようかなとか考えます。
京都拠点に活動?(笑)。京都に友達はできました?
ヨーロッパメンバーは友達だと思ってます。それ以外だと飲み屋のマスターが二人とヨーロッパ企画のメンバーなのかよくわからない黒木正浩さん。あと欣也。
小林欣也(笑)。知られざる京都が誇る怪優です。
まあ、こんなこと言えるのは今フリーだからっていうのはあるけどね。住む住まないに関わらず、すごくいい経験させてもらってると思うよ。京都、学生多いじゃん。言い方悪いかもだけど、学生気分の延長を味わえるというか。
まあヨーロッパ企画もまんま学生の延長ですからね。菅原さんは一時期就職されてたんでしたっけ?
うん、新卒で。しんど過ぎて、目がロンパってた(笑)。自律神経失調症っていうやつかな。
へえ~! じゃあ、そもそも芝居は続けていく気はなかったんですか?
まあね。でも、仕事やってる間にみんなすげえ芝居がうまくなっていってる気がして。どんどん差が拡がっていくんじゃないかって、辞めるんなら早い方がいいと思って、出戻った(笑)。
今一緒に芝居してて、菅原さんの演技のルーツっていうか、下積みってどんな感じだったのかなって気になってるんですけど。
演技の事を教えてもらうことはなかったよね。見て学べという感じ。前に前に出ても勝てる訳ないと思って、ポジショニングばかり気にしてた。永 一緒に稽古してて明らかな違いがあって、僕らは点と点を繋ぐようなエチュードをずっとしてきたけど、永二さん見てたら、その点を拡げて豊かにしてるなっていう印象があって。
昔はもらった台本に、今度はこんなことしようとか、あんなことしようとか書き込んだりしたり、稽古では昨日と同じことはしないでおこうと思ったりしてた。周りにいる人がそんな感じだったっていうのもあるけど。台詞覚える前に、台本を崩しながら芝居を作っていくやり方してたからかな。でもヨーロッパ企画では劇団の雰囲気もあるし、どっちかと言うと楽しむことだけ考えてる。
自分の話になっちゃいますけど、客演とか馴れてなくて、照れるんですよね自分の劇団以外だと。これどうにかなんないかなって思ってるんです(笑)。
わかるけどね(笑)。照れない方が絶対いいなって思って稽古はとりあえずやり切って、家に帰ってあとで照れるようにしてるよ。まあ、反省ばっかりよ酒飲みながら。かっこつけちゃったとか、うわ~滑ったとか、あんなこと言えば良かったとか。復習とか反省とかで、結構な時間使ってる気がする。
「反省俳優」ですか?
反省ばっかりじゃないよ(笑)。
なるほど。作品のこと考えてる時間長いんですね。稽古場で出すアイデアの数とかそこに起因するんですね。
考えなくていいことまで考えちゃう癖があるね。
「妄想止まらない俳優」。
…「意外と真面目俳優」(笑)。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information ヨーロッパ企画第32回本公演「建てましにつぐ建てましポルカ」@西鉄ホール 10/5・6 。 チケット取扱い/スリーオクロック tel 092-732-1688
http://www.europe-kikaku.com/

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