10/3(土)公開!『バクマン。』佐藤健 × 神木隆之介 × 監督・大根仁 インタビュー

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漫画『デスノート』を生みだした大場つぐみ・小畑健のコンビが手掛ける、人気漫画「バクマン。」が、大根仁監督によってついに実写映画化!高い絵の才能を持つ、真城最高(サイコー)役を佐藤健、巧みな物語を書く、高木秋人(シュージン)を神木隆之介が演じる。さらに今作では、様々な映像表現を劇中に使用し、映像バトルを繰り広げ、新たな映画のスタイルを作り上げた。
主人公を演じた、佐藤健、神木隆之介、そして監督・大根仁、三人の鼎談インタビュー。

 

 

◆「バクマン。」の監督をするにあたって考えられていたことは?

大根
漫画原作の映像化はこれまでもやってきましたが、漫画原作を映像化する時に考えるのは、映像化ならではの表現ができないかということです。原作が持っているチャームポイントに、きちんと映像として対抗できるかどうかですね。「バクマン。」の最大の魅力は、キャラクターもさることながら、「少年ジャンプ」という雑誌で連載しながらも「少年ジャンプ」の内幕を描いていくというか、暴いていくというか。そこに作品の魅力があると思うので、それは映像では表現しづらいなと思ったので最初はお断りしたんです。それに原作はサイコーとシュージンが中学生の頃から始まるので中学生の気持ちはさすがにちょっとわかんないなということもありました。でも高校生に置き換えることを自分の中で決めて、佐藤健、神木隆之介のキャスティングが決まった時に、初めて具体的に見えて来たというか、映像ならでは、映画ならではの「バクマン。」が作れるなと思いまして、脚本を書きながら二人に託していったという感じです。

◆今回演じられるにあたって気をつけられたことはありますか?

佐藤
たくさんありますが、僕の中で一番課題だったのは、高校生にしか出せない雰囲気というか空気感というのが絶対あると思ったので、その感じがリアルに表現できるように、一番意識しました。

神木
僕自身、原作が大好きだったので、大好きだからこそ、どういう風にシュージンを演じるかというのは、すごく悩みました。僕と同じく、原作ファンの方もたくさんいる作品ですので、誠意のあるお芝居がしたいなと。その為に、ファンブックを読んだり、あとは台本にも同じ台詞や同じシーンがあるところは、漫画の原作のコマを貼って、常に原作を感じられる状態にしていました。でも映画化となると、原作になぞるだけではないので、原作ファンの方たちに対して、演者としての誠意というのはどういうものだろう?というのが撮影中ずっと課題でした。

◆サイコー、シュージンを描きながらも、佐藤健さんや神木隆之介さんのイメージがいっしょになっていましたが、そこに何か狙いがあったんでしょうか?

大根
シュージンがすごく戦略家的に漫画の原作を作っていくというところは、原作の持ち味でいい部分でもあるんですけど、実写というか生身の人間が演じた時に少しネガティブな感じに見えるんじゃないかと思って、映画版のシュージンはもっと漫画オタクというか、漫画が好きで好きでたまらない男、でも絵は描けないから原作者になりたいというキャラクターに変えました。神木くんが漫画オタクということは知っていましたし、それで最初に会った時に、漫画の話を聞かせてとお願いしたら、こちらがもういいよ、というまでずっとしゃべり続けていたので、これはいいぞと。この神木隆之介のキャラクターをそのまま借りて、シュージンを作り上げようと思ったんです。サイコーに関しては、佐藤くんと会って話した時にとにかく目が強いなと、それがすごく印象的だったので、サイコーは、連載が始まってボロボロになって、それでも目だけは活き続けている。漫画に立ち向かっていく。その目をしっかりと見たいなと、そこを印象的にしたいなと思っていました。

◆クライマックスで佐藤健さんが涙するシーンがありますが、佐藤さんのアドリブだったとか?

佐藤
僕も別に泣こうと思って泣いたわけではないし、普通に芝居をしてたんですけど、サイコーは、漫画にかけて、それだけを必死にやってきたんですよ。そうなってくると悔しい気持ちが湧いてくる。という気持ちになっていたら、涙が出ていたんです。その時の現場の雰囲気、空気感もあるし、染谷くん始め共演者の方々がすごい芝居をしてくれていた結果があのシーンに繋がっていると思うので、僕は特別なことをした思いは全く無いですね。

大根
僕もカメラ回している時に、あれ?泣いてると思ってビックリしましたけど(笑)編集している時に、この映画のポイントはココだって思いました。でも、現場ではもう一回泣かないバージョンも撮らせて欲しいと言ったんですけどね。でも、ああいった想像を超える瞬間が生まれてくるってのはやっぱり映画のいいところですよね。

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◆漫画を描く所作も含めて、役作りに関してはどのようにされましたか?

佐藤
漫画の練習は、ずっとしていたんですけど、漫画を描くスタイルというのは自然と出来てきましたね。特にこうしなきゃみたいな工夫みたいなことはしなかったですね。漫画を描くということに集中していると、自然と所作は身についていったように思います。性格的な部分でいうと、パーソナルな部分が近いキャラクターだったので、自分の中にある感情を表現していった感じです。あとは高校生ならではのテンション感とかは大事にしたかったのですが、僕にとっては、8〜9年前のことだし、想像しづらくて。そういう感じは、神木くんと二人のシーンが多いので、彼の芝居のテンション感に合わせて参考にして芝居をしたりしてましたね。

神木
高校生役は特に抵抗なく入って行けたのですが(笑)テンションも本質的なところは役柄と似ていたので、大丈夫でした。漫画の練習はホントに大変でしたし、健くんが言っていたように、漫画を描いているときの姿勢や雰囲気は、集中したら出るものもあるのかなと思って、本番の時もその作業に集中するということに徹していました。原作に比べると、この実写映画のシュージンというのは、ちょっとだけ僕の性格に寄せて頂いたということもありまして。

大根
ちょっとじゃないよ(笑)大分だよ。

神木
(笑)大分寄せて下さったのですが、原作を参考にできるところは参考にしつつ、自分でシュージンのことを読み返して、調べて、なりきって。自分がシュージンとして、そのシーンとか、相手の言葉を受けてどう思うかということを、撮影前にあれこれ考えず、その場で感じたことで、リアクションを取っていったという感じなので、そんなに特別に自分で役作りをしたということはなく、結構ナチュラルに演じることが出来たと思います。

大根
サイコーはシュージンといっしょじゃない、亜豆とのシーンもあるじゃない?それは?

佐藤
亜豆とのシーンは、逆に素直にできましたね。サイコーって特に恋愛に関してはピュアすぎるくらいピュアなんですよね。そういうところは原作でも好きなところだったので、そこは表現したいなと思って、ピュアに演じました。そこは僕の中のピュアな部分ですね(笑)

◆様々な映像表現が出てくる作品ですが、撮影中、何か苦労されたことはありますか?

神木
僕自身、漫画が好きだということもあって、漫画に囲まれながらの撮影で、集英社にもロケで伺えたのですごく幸せでした。難しい部分もありましたし、プロジェクションマッピングの撮影も大変でしたが、関われたということ自体が楽しかったですし、新しいことに挑戦しているんだな、という感覚で、これがどうなるんだろう?という楽しみは、すごくありました。なので、大変だったなと思うことはなく、全部楽しかったです。

◆佐藤さん、笑ってらっしゃいますけど(笑)

佐藤
いや、若いですね(笑)。撮影は大変だったんですよ。むしろ全部が。

大根
俺も今聞いてて、マジかよ!?って思っちゃった。大変だったと思いますよ(笑)

神木
大変は大変でしたけど・・・(笑)。楽しかったですよ!

◆どんなところが大変でした?

佐藤
ホントに全部です。普通の何気ないシーンも大変でした。というのは監督がたくさん撮るから、時間もかかるし、待ち時間も長かったし、肉体的に大変でしたね。個人的には、寝ないで現場に行ったりしてたというのもあったかも。寝ないという役作りを今回初めてやりましたね。寝ずに行ってみようと思ってやってみたら、やっぱりすごい辛かったです(笑)

◆実際にその大変な撮影が終わって、出来上がった作品を観られた感想は?

佐藤
単純に面白かったです。最初から最後までずっと楽しめたんです。テンポ感がすごくいいし、退屈な時間がなかったんですよね。今回はエンドロールの最後の最後まで、ずっと引き込まれたというか。そういう映画でしたね。それに、登場人物がたくさんいて、これだけ個性的な俳優さんが集まっているのに、全員が魅力的で、全員が素敵でした。それもすごいなと思いましたね。

大根
文化系マッドマックスですよ。始まったら最後まで止まらないという(笑)

神木
ジャンプ漫画を見ているような感覚でした。映画を観ているんだけど、漫画の中にいたような。スカッとするような気持ちになっていました。プロジェクションマッピングそのものを撮影していたんですけど、出来上がってみたら、こんなに斬新で新しい作品に参加できていたんだなと改めて感じました。

◆キャスティングが発表されて、すぐに話題になっていました。サイコーとシュージンが逆のイメージじゃないかという意見もありました。監督がイメージしていたそれぞれの役柄とキャスティングの理由は?

大根
様々な要員はあるんですけど、撮影前の準備の段階で、クライマックスのペンを剣のように持って、戦うみたいなシーンのビジュアルが、なんとなく頭に浮かんできたんです。そこに二人のイメージを合わせたところはありますね。その時に、大きいペンを振りかざして戦っている佐藤健演じるサイコーと、その横でデカいカッターナイフと鉛筆を持って支えながら一緒になって戦っている神木隆之介演じるシュージンの姿がなんとなく浮かんだっていうのがありますね。あとは二人に会って、パーソナルな部分を知って、どっちが絵を描きそうか、どっちが物語を考えそうかという、単純にそういうことで決めたんです。だから未だに逆っていわれてもピンと来ないんですよ(笑)

◆原作とは違うキャラクターはありますか?

大根
服部は完全に変えていますね。変えているというか、原作の服部もすごく魅力的なキャラクターなんですけど、もう少し二人のお兄さん寄りというか。原作での服部の設定というのは、ジャンプに来て間もないけれど、連載を立ち上げたこともなく、ヒット作もなく、で、それを狙っている。その時に二人と出会って、三人でいっしょに連載を勝ち取ってアンケート上位を目指していくという仲間という感じですが、それを少し兄貴的な立場の設定に置き換えて、で、山田(孝之)くんで、と考えてましたね。この2人と合うと思ったんですよ。他は、中井巧朗役の皆川さんかな。皆川さんはこの映画で唯一裸を見せている、唯一のセクシー担当なんです。変な意味じゃなく、皆川さんの身体が大好きなんですよ(笑)。舞台ではよく脱いでさらけ出した面白い芝居をいっぱいやっているんですけど、映像ではそんなに観たことなくて。で、ペン入れする時にパンツ一丁になるという設定が思い浮かんで(笑)

◆とにかく美術セットが圧巻でした。編集部を再現されたということでしたが。

大根
そうですね。原作でも最初に2人が原稿を持ち込むシーンは読んでいてすごくいいなと思ったんですよ。大人の世界に初めて踏み込む瞬間というか。もう不安しかないという。恐い世界じゃないですか大人の世界って。自分もその体験をしたいと思って。実際にジャンプ編集部に見学に行ったら、ホントに映画のままなんですよ。朝11時の約束だったのに、入って見たら誰もいない。で、だだっ広い編集部の奥の方から、お疲れさまですって編集者の方が出てきて、うわ!何この世界。すっげー汚えって思って(笑)でもその汚さが心地よかったというか。

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◆お二人が原稿を持って編集部に入っていくシーンが印象的でした。圧倒されるというか。

大根
あれは実際のジャンプ編集部ですね。圧巻ですよね、あれは。エレベーターが開いて、まずあのビジュアルがボーン!と目に入ってきて、その奥に編集部がある。あそこは再現するのは不可能なので、実際のジャンプの編集部の廊下で撮影しましたね。

◆主題歌をサカナクションにお願いされた理由は?

大根
サカナクションにお願いしたいと決めたのは、実はキャスティングよりも早かったかもしれないですね。世界観が似てると思ったんです。漫画の「バクマン。」もそれほどわかりやすく喜怒哀楽を表現したりだとか、エモーショナルであったり、わかりやすいい作品ではないし、パッと見は、クールに見える部分が多いけど、中に潜んでいるものがものすごく熱い。サカナクションの楽曲を聴いたりライブを見たりしていると、そんな風に思えていて。サカナクションの記憶ってなんか、どれもが青春ソングなんです。わかりやすい青春ソングじゃないんですけど、何を聴いてもどこか青春の儚さみたいなものを感じていて、だから絶対合うと思ったんです。サカナクションの山口一郎さんも脚本を読んだ時に、自分たちの物語だって言ってくれていたんです。やりたいことと、作ったものをヒットさせることは違うということと、そのどっちもやりたいんだという苦しみみたいなことは、共通するものがあると思いましたね。

 

【 PRESENT 】

【『バクマン。』非売品プレスシートを抽選で2名様にプレゼント!】

★応募方法

ご応募はこちらから↓

http://goo.gl/forms/KowsYzl4UO

【応募締切】10月10日(土)

 

『バクマン。』
10/3(土)TOHOシネマズ天神 ほか全国ロードショー

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【STORY】
高校生の真城最高(ましろもりたか あだ名:サイコ—/佐藤健)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの日々を送っていた。最高の叔父(宮藤官九郎)は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家・川口たろうであった。だが結局は連載打ち切りとなり、その後叔父は過労により亡くなった。そのことが最高の心に暗い影を落としていた。
ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイト・高木秋人(たかぎあきと あだ名:シュージン/神木隆之介)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片想いのクラスメイト亜豆美保(あずきみほ 小松菜奈)と、「漫画家として、声優として、お互いの夢が実現したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。
最高と秋人はコンビを組み、夢の週刊少年ジャンプの連載を目指して日々漫画づくりに明け暮れる。ジャンプ編集者の服部(山田孝之)に見出され、ようやく光明が見えてきたとき突然ライバル——新妻エイジ(染谷将太)が現れる。弱冠17歳で手塚賞入選を果たした天才・エイジは瞬く間にジャンプ連載を決めて遥か先を走り始める。そして次々と現れる新進気鋭のライバルたち。
はたしてふたりはジャンプ連載を勝ち取ることができるのか!?

 

脚本・監督:大根仁
原作:大場つぐみ 小畑健(「バクマン。」ジャンプ・コミックス/集英社刊)
出演:佐藤健 神木隆之介
染谷将太 小松菜奈 桐谷健太 新井浩文 皆川猿時
宮藤官九郎 山田孝之 リリー・フランキー
主題歌:サカナクション「新宝島」(ビクターエンタテインメント)

http://www.bakuman-movie.com

(C)2015映画「バクマン。」製作委員会

 

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