大塚ムネトの「かぶりモノ大図鑑」No.004
No.004 ユーテクくん
「ケ・セラ・セラ」だぜユーテク君
イムズ、ソラリア、ユーテクの誕生で始まった第二次流通戦争。戦いは、ユーテクプラザの一人負けで終わった。
あっという間に倒産してしまったので、芝居には「命を失ったユーテク君人形」としてしか登場していない。ちなみに失敗したユーテク君のスローガンは「天神に秋葉原を!」だった。ユーテク君は本気だった。テナントは電子パーツを扱う小さな店からパソコンショップまで、まさに秋葉原な品揃え。でも・・・ああ、残念だけど、天神で秋葉原は求められていなかったのだ!かわいそうなユーテク君。大体「天神に○○を!」というのは失敗するパターンが多い。1975年、呉服町から天神に移転した博多大丸は「天神に原宿を!」というスローガンでヤングをターゲットにして大失敗。その後、ミセス路線に修正したが、黒字になるまでには10年もかかった。
さて「ユーテク君のその後」について。一時閉店したあと「ジークス天神」と名前を変えて男性向けの雑貨専門館を目指すも、またしても失敗。ここ数年は、ギャル系の店を増やしてさらなるイメチェンを図っていた。「電気マニア向け」からスタートして、「男子向け」に姿を変え、それでもダメなら「女子向け」というわけ。次々と姿を変える「ユーテク改めジークス君」。残念ながら今ひとつ存在感を発揮出来ないままだが、最新の情報では何と東京資本の雑貨専門店「ロフト」になるかもしれないとのこと。今度こそキャラが定着するだろうか。