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約2年ぶり!ミュージカル『アニー』が福岡へ!ウォーバックス役の藤本隆宏にインタビュー

INTERVIEW

1977年にブロードウェイに登場し、開幕直後から話題となり数々の賞を受賞。さらに1986年に日本に初上陸し今日まで続く大人気ミュージカルとなった『アニー』。2017年には演出家・山田和也氏を迎え、翻訳台本、編曲、振付、舞台美術、衣裳などを一新。スピーディで華やかな舞台になった。その新演出版が、福岡に初登場する。新演出版からウォーバックス役を務める、福岡出身の藤本隆宏にインタビュー。

◆前作の新演出版からウォーバックスとしてご出演されていますが、久しぶりにミュージカル作品に出演してみていかがでしたか?

藤本隆宏:(演出家から)OKが出ても、これでいいのかな?と思ってしまって、自問自答が続いた一年でした。今回は、前作よりも一音一音をきちんと発声できるようになったし、その言葉の意味を理解して歌うことが出来つつあるので、前作よりは進化しているのかなと(笑)。でも歌に関してはかなり自信がつきました。

◆この作品のオファーが来た時はどんなお気持ちだったのですか?

藤本隆宏:ここ数年映像作品に出演させて頂くことも多く、歌をあきらめていたというか、これ以上やっても上には行けないんじゃないかと諦めていた部分もありました。でもいずれミュージカルに参加できる日が来るんじゃないかと思い直して、3~4年前からボイストレーニングをやり直していたんです。準備しながら待っていたら『アニー』に声を掛けていただけてうれしかったですね。

◆ボイストレーニングを再開されたきっかけはあったんですか?

藤本隆宏:渡辺謙さんが出演されていた「The King and I」をブロードウェイで観劇した影響は大きいですね。日本人であれだけ英語を使ってブロードウェイの舞台に立っているのを観て、ちゃんとやっていれば、いつかこういうチャンスが来るかもしれないし、出来る可能性があるかもしれないと思ってボイストレーニングをやり直したんです。

◆新演出版になってから参加されていますが、山田和也さんの演出はどんな感じですか?

藤本隆宏:俳優の心理に合わせて演出をしてくれるというか、台詞が言いにくそうだなと思ったら、言いやすくなるようなアドバイスをしてくれるような優しい演出家です。怒ることはなく、褒めることが上手。だからこそ褒めて頂けないとそれが逆の意味だったりするのかなと心配になったりもしますが(笑)。「東京サンシャインボーイズ」のメンバーだったので、笑いをとる演出や観ていて飽きさせない演出を心がけられておられますよ。それが本当に絶妙でおもしろいんです。

◆藤本さんと言えば、最近は映像作品のイメージが強いですが、ミュージカル作品の魅力ってなんでしょう?

藤本隆宏:映像でずっとやるつもりでいたんですけどね(笑)。でもやっぱり昨年舞台に立ってみて、オーケストラの演奏で歌うということを体験したんです。その時に、やぱりミュージカルが好きだったんだと。僕は「レ・ミゼラブル」という作品を観て、この世界に入ったんですけど、あの高揚感を思い出しました。

◆今回のオーディションで選ばれた二人のアニーは、いっしょにお稽古してみていかがですか?

藤本隆宏:すごく良い子ですよ。昨年参加した子も良い子だったんですけど、作品自体を0から作り上げていたので、どちらかというと同じような立場というか、僕は踊りが苦手だったりするので、子供たちにちょっとバカにされながら楽しくやっていたのですが、今回は僕が1年先輩なので(笑)。二人とも、兄のように父のように慕ってくれています。

◆ウォーバックスという役をどのように演じようと思われていますか?

藤本隆宏:ウォーバックスも自分が10歳の時に両親がいなくなってしまって、アニーと同じような境遇で育った男です。だからこそお金を稼がないといけないと強く思っている。お金のために生きてきた人なんですけど、アニーと出会うことで優しい心を思い出していく。その気持ちの変化を演じていかないといけないのがウォーバックスです。だからこそ、最初のオープニングでは力強い人でなければならない。それを際立たせることで、その後の気持ちの変化を演じやすくなると思っているので、オープニングから力が抜けないですね(笑)。

◆藤本さんが感じられているミュージカル『アニー』の魅力は?

藤本隆宏:未来を見る、夢を見ることができるというのが長く愛される理由のひとつかな。子供が主役なのでファミリーミュージカルのイメージが強いですが、劇中歌『トゥモロー』の歌詞にあるように、明日になったら新しい道が開けるんだと前向きな気持ちを歌で届けてくれます。それは大人になっても感じられることですが、それをアニーから言われることによって、ハッと気づかされる。僕自身も諦めずにいらた、このミュージカルに出会うことが出来ましから。僕自身も、最初は子供向けのファミリーミュージカルというイメージがありました。でも実際にやってみるとそうではなくて、子供が主役ですが、大人も楽しめるミュージカルだなと。参加して改めて感じました。

◆辺見えみりさんは今回から参加されていますが、ご一緒されてみていかがですか?

藤本隆宏:優しくてとてもシャイで、とても素敵な人です。とにかく歌が素晴らしいです。ルースターとハニガンとリリーが歌うジャジーな歌があるんですけど、辺見さんの音程の素晴らしさというか、ハーモニーが映える声質も含め本当に素晴らしいですね。辺見さんのお母様が同じ役をされていたので、ずっと作品を観ていたそうなんです。辺見さんが演じるハニガンは辛辣な言葉を強く言ったりする役ですが、実際の辺見さんはすごく優しくて、ハニガンに合ってないんじゃないかと思うくらいです(笑)。でも辺見さんなりのハニガンを今作り上げていらっしゃるので、福岡公演ではすごく怖いハニガンを見られると思います。

◆福岡公演を観に来られる方に、メッセージをお願いします!

藤本隆宏:本当に素晴らしい作品で、大人が涙してしまうほどです。それに楽曲が名曲揃いなので、楽曲によって『アニー』の世界にスッと入っていけると思います。今回は2年ぶり、新しい演出になってから初めての福岡公演です。観たことがない方もこれまで観ていた方も、ぜひ観に来ていただきたいですね。

 

丸大食品ミュージカル『アニー』
【福岡市民会館】
8月4日(土)15:30、5日(日)11:30/16:00
脚本:トーマス ミーハン
演出:山田和也
出演:新井夢乃、宮城弥榮(Wキャスト)
藤本隆宏、辺見えみり、白羽ゆり、青柳塁斗、山本紗也加、伊藤俊彦
料金:S席 8,500円 A席 7,500円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可
問合せ:キョードー西日本 092-714-0159

 

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