「生きる」ことに貪欲に立ち向かう、ふたりの女性の物語。

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「奇跡の人」主演:田畑智子

1954年の初演から45年たった現在も、その物語の中にある人間たちの「生きる」ことへの情熱は薄れてはいない。世界中で上演され、日本でも再演を重ねる「奇跡の人」。役者や演出家は「表現力」や「演技力」、そして「生きる」情熱が試され、観客は「生きる」ということを本気で考えさせられる。この物語はヘレン・ケラーの「偉人伝」である前に、生きることに懸命になった「人間のドラマ」なのだ。

今回、アニー・サリヴァンという難役に挑むのは、近年その高い演技力に女優魂を感じずにはいられない田畑智子さん。アニー・サリヴァンというと、これまでは大竹しのぶさんが演じ、これぞ適役だ、と言わせたほどの役である。世間の人の多くが「アニー・サリヴァン=大竹しのぶ」というイメージを持っているに違いない。その中に立ち向かおうとしている田畑さんのプレッシャーたるや、尋常では無いのではないか。そんな質問に対し「最初はすごくプレッシャーを感じていましたが、そのことを気にしていては私のアニー・サリヴァンが出来ないと思いました。私なりの解釈で新しいアニー・サリヴァン、そして新しい「奇跡の人」を作りたいですね」。真っ直ぐに前だけを見据えた瞳の中に強い意志を感じた会見だった。

映画「血と骨」を観ていた私は、新しいアニー・サリヴァン役に彼女が選ばれたことが少し納得できていた。人間の内に秘める「真の強さ」みたいなものが彼女の演技からは伝わってくる。彼女が演じる新しい「奇跡の人」が本当に楽しみ。
(8月21日/北九州芸術劇場にて)

【北九州芸術劇場/大ホール】9月17日(日)発売
「奇跡の人」
■11月18日(土)18:30・19日(日)13:00
■作/ウィリアム・ギブソン ■翻訳/常田景子 ■演出/鈴木裕美 
■出演/ 石原さとみ、田畑智子、小島聖、山崎裕太、歌川椎子、大鷹明良、鷲尾真知子、梨本謙次郎 他
■料金/S席 7,000円 A席 5,000円 B席 3,000円(全席指定)※当日500円増
〈チケットぴあ Pコード〉368-167〈ローソンチケット Lコード〉86065