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女優の黒木瞳が初監督をつとめ、桂望実のベストセラー小説を映画化。性格も境遇もなにもかもが違う、同い年の従姉である堅物弁護士の徹子と派手好きな天性の詐欺師、夏子の奇妙な絆が描かれた人生リセットエンタテインメント。吉田羊は本作で映画初主演を務め、W主演に木村佳乃。

公開に先駆けて、試写会の舞台挨拶に福岡県出身の黒木瞳監督、吉田羊が登場。一般客向けの試写会は、全国のどこよりも早く福岡で開催。その喜びや監督と女優の立場について、それぞれに“初”となる、監督、主演女優としての話など、終始アットホームで笑いの絶えない舞台挨拶となった。

■まずはお二人から一言ずつお願いします。

黒木瞳監督(以下:黒木)
初めて監督をさせていただいたんですけど・・・映画撮っちゃった!(笑)
初めて観ていただく不安もあるのですが、どんな映画やろか〜という感じで、観てくださるみなさんもドキドキしていらっしゃるんじゃないかなと思っています。

吉田羊(以下:吉田)
やっとここまで来たな、という感じですね。また一番最初に地元福岡の方に観ていただけるなんて、こんなうれしいことはないなというか。ぜひ福岡をこの映画の発信源にしていただきたいなと思っております。

■お互いの印象はいかがでしたか?

黒木
羊ちゃんには「徹子」(吉田羊の役名)として接しました。演出をさせていただく上で、素直で私が言うことを、それ以上のもので返してくださるし、芝居に向かう真摯な姿勢が素晴らしかったですね。いつも羊ちゃんには「私は出来ないけどやってください」って言っておりました。

吉田
(笑)散々演出して、最後には「私はできないけどね」って仰るんですよ。

黒木
羊ちゃんの徹子のお芝居を観ていただくと、びっくりなさると思いますよ。ただ徹子という役は、人と関わるのが苦手で、人と距離をとってしまう女性で、ストレスが溜まる役だと思うんです。最初から羊ちゃんには、この役はストレスが溜まりますよって、言いましたね。

吉田
ストレスが溜まりますよ、って言われましたし、撮影現場でもかなりストレスを掛けられました(笑)。どんどん追い込まれて、一方、夏子役の木村佳乃ちゃんは、ホントに日々楽しそうで。「おはようございます〜!」って明るく元気に現場に入ってきて、ザーッて空気持って行って「いや〜佳乃ちゃんかわいいな〜」ってスタッフも目がハートになるんですよ。それを見て私は何のために芝居してんだ!!っていつも苦しんでました(笑)

黒木
その地味〜な徹子がね、愛らしかったですよ。健気で、なんとか成長して欲しい、なんとか一歩前に踏み出して欲しい、という思いで、愛おしい目で見ていましたが、感じました?

吉田
感じましたよ。現場で瞳さんが、いちいち言ってくださって(笑)。もちろん厳しい演出もあるんですけど、それと同じくらい、羊ちゃん今の芝居良かった、泣けた!ってそれもいちいち言ってくださるので、すごくうれしかったですし、これでいいんだって迷わずに進むことができましたね。

■吉田羊さんは、黒木さんの初監督作品でプレッシャーはありませんでしたか?

吉田
もちろんプレッシャーがないと言えば嘘になりますし、自分は主役肌ではないと思って来ましたし、今後もずっと脇役でやっていくんだと思っていましたから、こんなに早く、こんな大きなチャンスをいただけるというのは、意外で、本当に私でいいんですか?って、瞳さんにも言いました。でも「あなたがいいんです」って言ってくださったので、その言葉を信じて着いていきました。でも実際に現場に入ってみると私も初主演ですけど、監督も初監督なんですよね。初めての人間が現場に2人いるというのは、どこか同志というか、そういう連帯感が私の中で勝手に生まれて、私は一人じゃないんだと。初めてがもう一人、ここにいるじゃないかと。それはすごく心強かったです。なので、現場に入ったらすごく楽しかったですね。

■・・・と、主演女優はおっしゃっていますが、監督はいかがですか?

黒木
女優同士で出会うよりは、もっと強い絆で結ばれたような感じです。この映画は5年前から私が温めてきて、それでやっと実現して、こんなに素晴らしい女優の方に演じていただけて、やっとみなさんにご覧いただけるようになりました。この映画で、私が言いたかったメッセージはたくさんあるんですけど、元気になっていただきたいなと。きっと観終わった後に笑顔に、爽やかな気持ちになっていただけると信じておりますので、、、えーっと、この後は羊ちゃん、よろしく!(笑)監督をしていると、言いづらいんですよ。自画自賛になっちゃうから(笑)

吉田
自分で作っているからですね。すっごいいいの出来たから観て、みたいなことって、やっぱり言いづらいですよね(笑)。
この映画はヒーローも出てきませんし、派手なアクションシーンもありません。一人の女性の小さな成長を描いた物語です。でも小さいけれどもそれは確かな一歩なんです。それを観て、みなさんにちょっとだけ元気になってもらえる映画だと思います。そのちょっと元気になるというのを大事に持って帰っていただけたらと思います。

■監督をなさっていて、女優であることが役にたったなと思う瞬間はありましたか?

黒木
どちらかというと、自分が女優であるということを忘れた瞬間の方が多かったです。というか忘れてました。だから羊ちゃんをカメラから観ていると、台詞覚えてカメラの前で演技してすごいなって、そんな気持ちになって、だから全然別の景色でしたね。

■女優であるからこその演出、みたいなことはありましたか?
吉田
ありました。ひとつは、瞳さんはすごく音を気にされる方なんですけど、例えばナレーションで私が喋ると、そこは違うと。レドレレでお願い、みたいな。いや全然わかんない(笑)って。きっと台詞の音階が瞳さんの中にあるんですね。

■女優さんの表情がこれだけスクリーンに取り上げられている映画ってあまりないように思いますが、いかがでしょう?

黒木
それもありますが、女優が主演という作品自体が、そうたくさんあるわけではないんですよ。この映画は女優が活躍する映画なので、そういった意味では女性にエールを送れたらいいなと思います。でも男性の方も共感できる場面もたくさんありますので、みなさんに楽しんでいただけると思います。

■吉田さんは、もし次回作、ご一緒するのであれば監督と女優として共演したいですか?女優同士で共演したいですか?

吉田
監督としてお会いしたいです。というのは、瞳さんに「〜な女」シリーズをもっと撮っていただきたいんです。2年に1本くらいのゆっくりしたペースで。

黒木
「福岡の女」とか?(笑)

吉田
「筑後(ちっご)の女」とか?(笑)全編ちっご弁みたいな。東京の人全然わからない(笑)。がばよか〜とかね。

黒木
「よか女」とか(笑)

吉田
「がばよか女」とか。ちょっと面白そう。なのでシリーズで撮っていただきたいですね。その時にはまた呼んでいただけるような女優になっていたいなと思います。

■監督は次回ご一緒するなら?

黒木
女優同士で出会いたいですね。羊ちゃんの芝居に掛ける情熱は素晴らしいので、その情熱をキャッチボールしたいですね。

■最後に福岡のファンのみなさんにメッセージをお願いします。

吉田
この映画は、ある女性が小さな成長を遂げる物語です。その姿を観たみなさんが、ホントにちょっとだけ元気になったらいいなという願いを込めて作りました。この作品を福岡で最初に観ていただけることが何よりもうれしいです。福岡を発信源にして、全国に「嫌な女」を広げていけたらいいなと思っております。

黒木
今回は熊本地震のチャリティー試写会となっております。私達の気持ち、そして観てくださったみなさんの気持ちが被災地に届きますようお祈り申し上げております。最後の竹内まりやさんの「いのちの歌」までしっかりお聞きになって楽しんでください。

 

 

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『嫌な女』
6/25(sat.)T・ジョイ博多 他

【監督】黒木瞳
【原作】桂望実(「嫌な女」光文社文庫刊)
【出演】吉田羊 木村佳乃 中村蒼 古川雄大 佐々木希 ほか

Ⓒ2016「嫌な女」製作委員会

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