福岡県出身、いま小劇場界で注目されている劇団「桟敷童子」主宰・東憲司さん。「骨唄」で初の凱旋公演が8月29日(火)に西鉄ホールにて行われます。そこで、その心境と作品について熱く語っていただきました。

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東憲司(作・演出)

演劇を始めて、初の凱旋公演です。

■「骨唄」って聞き慣れない感じなんですけどタイトルの意味ってあるんですか?

この作品は架空の村にある風習や因習の話なんですけど、実際に行われていた風習をモチーフにしているんです。死んだ人を土葬して何年か後にそれを掘り起こし、人骨に細工をしたものを持ち歩くということが実際にあったんですよ。で、この作品はそんな風習のある村の話なので、それに引っかけて「骨唄」っていうタイトルにしたんです。

これを題材にしようと思ったのは、僕は郷土誌や民俗学にすごく興味があって、そんな風習や昔話がとても素敵なことに思えたからですね。人を土葬して海の見える方向に風車や白い花を挿したりする風習が実際に福岡でもあったという事を聞いたので感銘を受けて、そこからイメージして物語を作り始めました。

風車が咲き乱れているのを舞台にしたくて。実は「風車」っていうのが物語のキーポイントにもなるんです。

■今回は、全編博多弁なんですよね。

そうです。僕の記憶にある博多弁です。といっても僕が使っていた博多弁は随分昔のものなので、今となっては、ある意味架空の博多弁になっているのかもしれないですけどね。だから出演者の方々は、イントネーションなどをすごく気になされたんでけど、全然気にせず楽しくやってくださいって。福岡でもなまる人もいますし、地域によっては話す言葉も微妙に違うから、そういう色んな方言が混じり合った福岡を、ひとつの寓話として作り上げているので自由にやってくださいって話をしたところでした。そうはいったんですけど、結構みなさん上手いです(笑)方言指導は一切無しですから(笑)

役者さんもみなさんすごく魅力的な方たちばかりで、ホントにいいお芝居が出来ると思います。それに今回は舞台上に1,500本の風車を飾るんですよ。博多の郷愁にぴったりの美しい舞台ですよ。

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■え!?1,500本?ですか?

そうです。それを飾るのももちろんですが、公演の時は客席作りから全部やるんです。だから仕込みにすごく時間やお金をかけちゃうんですけど、やっぱりそれだけ愛情をかけて雰囲気を醸し出して、お客さんに楽しんでいただこうと思ってるんです。
舞台の空気感をすごく大切にしているんです。だから僕はいつもお客さんが劇場に入った時から、美術のセットを見ていただけるような、そういところから芝居を始めたいと、いつも考えているんです。

■そういう舞台ってあんまり無いですね。
 普通は芝居が始まってから明るくなって、さあ、始めますって感じですよね。

無いですねー。だから今回も劇場にお客さんが入った瞬間から、舞台上で風車がカラカラ回ってるって感じです。席についてチラシを見ててもいいですし、舞台の風車や舞台美術を楽しんでもらってもいいんです。だた、僕としては客入れが始まった時からもう芝居は始まっているんですよ。

■東さんは福岡出身でいらっしゃいますよね。福岡で公演するってどんな感じですか?

筑豊で生まれて粕屋や宗像で育って、高校が博多でした。19歳の時に東京に出て演劇をやり始めて、今回初めての凱旋なんです。劇作家・演出家としては初めて。役者としては10数年前に一度テント公演で戻ってきたことがあるんですけど。久しぶりなので、今回すごく楽しみです。

■そんな東さんが、お芝居に魅了されたきっかけって何ですか?

昔からすごく映画が好きだったのでシナリオの勉強をするために東京へ出たんです。そのうちお芝居に魅入られてしまって(笑)音楽や美術、役者さんとか、そういう総合芸術に魅入られてから、どんどんのめり込んでいきましたね。

新劇で宇野重吉さんとか、そういう方のお芝居を好きでよく観ていたんです。そんな中で蜷川幸雄さんの舞台を拝見させていただいた時に、ああ、この世界でやっていきたいなって本気で思ったんですよ。

■では今回初めての凱旋公演ということなので、
福岡のみなさんへ熱い思いをおねがいします。

期待は裏切りませんよ!お芝居ってやっぱり娯楽だと思うんですよ。だからたくさんのお客さんに観て欲しいんですよね。たくさんのお客さんを楽しませたい。だから構えずに観てもらいたい、でもこの芝居を観たらびっくりすると思いますよ。こういう芝居があったのか!って。舞台セットが特殊ですから、きっと喜んでいただけると思います。最後に大仕掛けも用意していますから。美術も物語も役者さんも、その世界全てに浸っていただければと思っています。

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「骨唄」〜骨咲キ乱レテ風車〜

■8月29日(火)19:00
■作・演出/東 憲司
■出演/高橋長英、新妻聖子、冨樫真
■前売/4,300円 当日/4,800円(全席指定)
〈チケットぴあ Pコード〉369-521〈ローソンチケット Lコード〉87211