koi_1.jpg
撮影:江川誠志

いよいよ5月4日から北九州芸術劇場で始まる「恋の骨折り損」。彩の国さいたま芸術劇場での公演を終え、現在大阪にて公演中の北村一輝さんに、これまでの公演の様子や今感じている、舞台のおもしろさなどを、ツアー千穐楽を迎える北九州芸術劇場への意気込みも含めて“今の気持ち”を語っていただきました。

■舞台が始まって、姜さんの「姫」をはじめ、男性だけのキャストには違和感を感じなくなりましたか?

違和感を感じなくはないんですが(笑)、確かに慣れることは慣れましたけど、やっぱり女とは認めてないですね(笑)

■本当の女性とは違う何かがありますか?

芝居ですごく顔を近づけるので、毛穴まで見えますからね(笑)距離感がね、近いんですよ(笑)男性だからこそ、オーバーに女性を扱っているように演じています。舞台だとそっちの方がいいのかなとも思ったりしますね。ゲイやニューハーフの人が、逆に女っぽいという感じがするのと同じような感じで、デフォルメされるからいいのかな、と思っていますね(笑)

■お芝居だとアリだけど、本来はやっぱり無理だと?(笑)

そうですよ、もちろん(笑)

koi_2.jpg

■お稽古、彩の国さいたま芸術劇場での公演を経て、改めて知った蜷川さんの演出の魅力って何ですか?

蜷川さんと一緒にやらせていただくに当たって、やはりプレッシャーというのはありました。でもそのプレッシャーをどう利用するかというか、どういうふうにそのプレッシャーを使っていこうかと考えた時に、稽古前から、これはチャンスなんだからとにかく全力で色々みせようと。小さくまとまるよりは、むしろ自分がやることによって蜷川さんを変えるくらいの勢いでね。ちょっと偉そうな言い方なんですが(笑)それくらいの気持ちじゃないと出来ないなと思って。奮い立たせて自分でそうやって思いっきりトライしてみたんです。だから初日から結構自由にさせて頂いていたのですが、もっと自由にやってくれって、すごく受け入れてくださったんです。これは稽古の途中で思ったのですが、役者のテンションを維持するところまで演出して下さって、みんなが一番芝居をやりやすいポジションに持っていってくれるんですよ。役者それぞれに合わせてね。だから人を扱うのがほんとに上手くて、僕らはそんな中で本当に自由にやらせてもらってますね。最初にもらった本が想像していた以上につまらなかったので(笑)これは蜷川さんを始め全員が言ってることで、全員が「つまらない戯曲だ」と。でもだからこそ作り甲斐があって、面白い舞台に変わったねって、今は言ってますよ。だからホントに最高の舞台になっていると思います。

■蜷川さんは、役者さんの個性に合わせた演出をされているんですね。

そうですね。周りの役者さんもすごく上手い方がばかりで、全てのシーンをとても魅力的に演じてくださるんですけど、それをさらに蜷川さんに、いい感じで料理していただいているので、バランスの取れた面白い芝居になっていますね。

■それではシェイクスピアの作品自体は、読んだ時と実際に演じてみて何か変わった部分はありますか?

実際シェイクスピアの本って僕には堅いイメージがありました。重いというか面白くないというイメージがあったんですが、僕は最初からそのイメージを壊そうと思って演じていたんです。だからシェイクスピアが苦手な人でも、舞台を初めて観る方でも、すごく観やすい舞台になっていると思います。今回アンケートを読んでわかったんですが、あまり舞台を観たことが無いという方が結構多かったんです。でもそんなお客さんも、爆笑しながら観てくださっていて、シェイクスピアの舞台がこんなに面白いとは思わなかったという感想も結構ありましたね。自分で言うのも変ですけど、面白くなっていると思います。

■この舞台での北村さん扮する「ファーディナンド国王」は、役作りの上で苦労された部分はあるんですか?

僕は役を作るというよりは、話の流れの中でどう振る舞えば一番良いのかを考えて、その流れに乗っているだけですね。感動する場面では、そこにその感情を持っていかなければならないので、その前はどう演じればいいのか、とかですね。「ファーディナンド国王」という役は、抜けてるところがあったり、おっちょこちょいだったり、カッコつけるところがあったり、そういうのって演じる度に色々変わっていくんです。だから役全体を通して、一人の人間の中でも色んなキャラクターが出ているんじゃないかなと思ってます。

■先ほどもちょっとおっしゃっていましたが、お客さんの反応がすごく良かったということなんですけど、北村さん自身はお客さんの反応というのをどんな風に感じ取られていますか?

今までの公演は終わった後、毎回スタンディングで拍手をいただいて、すごく嬉しく感じてますね。シェイクスピアの劇ってやっぱり最初の方は、解りづらかったり、静かなシーンだったりで、お客さんの感情が入りにくかったりするんですよ。でも途中からはお客さんも湧いてくるんですけどね。僕の場合は、正直なことを言うと、お客さんの反応がよければ良いほど、テンションが上がって思う存分やってるみたいな感じなんですよ(笑)会話なんですよ、舞台は。舞台上でも相手と会話をしますけど、僕らはお客さんとも会話している部分があるんです。実は、その日のお客さんの反応によって僕のテンションも変わってきますね(笑)

■いわゆる、お客さんにのっかっちゃう感じなんですね(笑)

はい(笑)そういう、なんて言うんですかね。僕自身も、舞台を楽しんでいるんです。

■北村さんの感じる、映画やテレビには無い「舞台」の良さって何でしょう?

今回の舞台に関しては、僕が普段やっている映像のイメージとはキャラクターが違うと思うんですよ。蜷川さんの作品はすごく綺麗で、エンターテイメント性が高くて、そこはずっと共通して好きな所なんです。そういうエンターテイメント性の高さや観る人のためにちゃんと舞台を作りたいという部分が共感できるので舞台は楽しいですね。だから今回は、舞台の良さというよりは「好きな舞台」です。

■ではエンターテイメント性が高ければ高いほど舞台は面白いという感じですか。

そうですね。自分が観ている時もそう思うので、舞台に立つ時もそう思っちゃいますね。

■喜劇は難しいとおっしゃっていましたが、実際にやってみてやっぱり喜劇は難しいですか?

難しい部分もありますけど、それは作る段階のことだと思うんですよ。だから演出家がしっかりしていれば、そこで悩むことはないんじゃないかなって思いましたね。正直言って、僕は何が難しくて何が簡単なのか、わかってる振りは出来るんですけど……本当にはわかってないので(笑)与えられたものを一生懸命やっていますね。

koi_3.jpg

■今回のカンパニーの雰囲気は、どんな感じですか?

最高にみんな仲がいいですよ。空いている時間も結構みんなで一緒にご飯食べたり、一緒にホテルの部屋で話してたりとか、それくらい仲がいいですね。だから楽しいですよ、もちろんいいカンパニーです。

■その仲の良さが、舞台にも伝わってきて良い舞台になっているんですね。

それは、すごい出てると思いますね。一体感とかがね。

■ツアーの楽日となる北九州公演を観に来られるお客様へメッセージをお願いします。

最後の最後に、ぜひ九州では盛り上がりたいなと。僕らも盛り上がって、お客さんも一緒に盛り上がれる、そんな千穐楽を迎えたいなと思っています。来ていただけたら、本当に楽しんでいただけると思います。それは僕が保証しますから(笑)ぜひ見に来てください。

(4/18:イオン大阪シアターBRAVA!にて)

 

 

【北九州芸術劇場/大ホール】
kitamura.jpg

彩の国シェイクスピア・シリーズ第17弾
恋の骨折り損

■公演日/5月4日(金)18:00、5日(金)13:00
■作/ウィリアム・シェイクスピア ■演出/蜷川幸雄
■出演/北村一輝、姜 暢雄、窪塚俊介、高橋 洋、内田 滋、月川悠貴、中村友也、須賀貴匡 ほか
■料金/S席 9,000円・A席 6,000円・B席 3,000円(全席指定)
〈電子チケットぴあ Pコード〉373−860〈ローソンチケット Lコード〉82166
北九州芸術劇場プレイガイド(店頭販売のみ)