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松田龍平×松尾スズキ×阿部サダヲ・・・+まさかの濃いぃ出演者陣が贈る、
エンタテインメント快作!

4月4日(土)に公開になる松尾スズキ監督「ジヌよさらば〜かむろば村へ〜」。
原作は監督を務める松尾スズキをはじめ、多くの著名人もファンを公言する漫画家・いがらしみきおの「かむろば村へ」。第14回手塚治虫文化賞最終選考ノミネート作品となった物語が、いがらし作品初実写映画化となった。“ジヌ”とは、東北地方の言葉で“銭”のこと。都会から遠く離れたかむろば村で、無鉄砲でヘタレなタケがつかみとった“ジヌを使わない生活”の行きつく先は―!?誰も観たことがないリアルとファンタジーの間をいく爽やかなエンタテインメント快作。

公開に先立って、出演の松田龍平さん、阿部サダヲさん、松尾スズキ監督が来福。まさにふわっとしたファンタジーなインタビューとなりました!

 

■原作を読まれて魅力的だと思った部分やアレンジした部分は?

松尾
田舎には、そこにいる人が持つ温かさと、田舎だからある闇の部分という両面があると思っていました。原作には、そのシリアスな感じとギャグみたいな感じがほぼ同じ比重で交互に描かれていて、そういう作品は、他にあまりないんです。僕も、人間が持っている暗い部分、陰の部分、そこに垣間見える間抜けさがある、そういう部分が笑えると思って、演劇や小説などの作品作りをずっとやってきているので、いがらしさんの漫画にはそういう共通点があるなと思いました。映画化しないかと話をいただいて原作を読んでみて、重なる部分を感じたので、オファーが来た理由はこれだろうなと思いましたね。映画化するにあたっては、原作は4巻ある長い話なので、主人公の武晴と村長の与三郎の友情というか、凸凹コンビのバディームービーというか、その辺りをこの映画の芯として、内容を整理していった感じです。あとはギャグを増量しましたね。

■映画のオファーを受けられた時の感想は?

松尾
もともといがらしみきおさんのファンで、いがらしさんの4コマ漫画に憧れて自分も4コマ漫画を描いていたりしたんです。それに挫折して演劇を始めたようなものですが、めぐりめぐっていがらしさんの原作を映画化させていただけることになって、縁があったのかなと奇遇なものを感じますね。
いがらしさんの作品の魅力は、きれい事を言わないところですね。人間の本質的なものの中には汚い部分もあるし、間抜けな部分もあるし、美しい部分もある。それを引っくるめて人間だし、人生だというような、どこか神様的な視点があるなと感じられますね。

 

■オファーを受けられた時の感想と役どころをどう捉えられましたか?

松田
松尾さんとは「恋の門」という作品でご一緒させていただいたのですが、また声を掛けていただけてうれしかったですね。お金が使えないという設定は、面白いなと思いましたが、もう少しうまいやり方があったんじゃないかなと(笑)
お金が無かったら人は普段の生活ができないわけですが、武晴は、そこで突拍子も無いことをやるんです。自分で井戸を掘るとか自給自足するとか、そういう理想を持ってやってくるんですけど、それを村人たちに一撃される様もまた面白いなと。短絡的な気持ちで東京からやってきた若者と村人たちの温度差が出ればいいなと思っていました。一生懸命ポジティブに考えている武晴を、ばっさり切る阿部さん演じる村長、みたいなその落差や、そこに見えてくる滑稽さが面白くなるんじゃないかと。演じる上ではひたすらがむしゃらに、後には引けない思いでやってきました。
お金が使えないというのは、究極な考え方ですけど、演じてみて改めて衣食住って大事だなと思いました。重ね着で東北の寒さをしのぐというのは、尋常じゃ無いですよ(笑)

阿部
僕は原作を知らなかったんです。最初は松尾さんの映画に出られることがすごくうれしくて、よろこんでついて行ったんです。これまで松尾さんが監督された「恋の門」や「クワイエットルームにようこそ」は劇場で見ていました。僕が出てない松尾さんの作品に出ている大人計画の人たちに、すごく焼きもちを焼くんですね。長編の映画への参加は初めてだったし、単純に声を掛けていただいて本当にうれしかったです。事務所にはずっと出たいってお願いしていたんです。台本を読んで、すごく面白くて、役としては大人計画の作品ではあまりやったことのない役どころだったので、すごくやりがいが ありましたし、やっていて楽しかったですね。

■舞台での松尾さんの演出と、映画での監督としての演出に違いはありましたか?

阿部
お芝居の付け方とかは変わらないですね。本当にこれやるの?と思うような演出を受けて、実際にやってみる。あと、最初に松尾さんがこんな風に、とやってみ せてくれる場合もあって、じゃあ、やってみてと言うと、松田くんが「できません」とか言ったり(笑)片桐はいりさんが出ているシーンでも一通り芝居をやって みた後に「はいりさん、そこに止まっておもしろい顔を何秒かやっててください」って演出されているんですけど、はいりさんも「なんなの?どういうこ と?」って言いながらも、とりあえずおもしろい顔をやってみる、とか、その時々で付け足しながら演出されるのは、舞台でも映画の現場でもほとんど変わらなかったですね。そういうことで言うと、僕が武晴の荷物をぶん投げるシーンとかは全く予想外でした。最初のプランではやっていなかったんです。武晴のために やさしくやってあげようという気持ちで演っていたんですけど(笑)、「それ、ぶん投げちゃって」という演出が入ったので、それ以降は、それに準じて自分でも 芝居を付け足したりはしました。

■毎回監督がやってみせるんですか?

松尾
やってみせるべきところはやってみせますね。例えばお金に対する拒絶反応みたいな部分は、何か例があるわけではないので、自分の中のイメージはやってみせないと伝わらないですからね。逆に阿部とかは、言うとなんでもやってくれるので「テディベアみたいにいきなりポンっとおしりから座ってくれ」って言ったり。それは自分でやってみせると身体壊しそうなので(笑)

 阿部
痛かったですけどね(笑)あと川に落ちるというのも台本上には無かったので、重い薪を背負って芝居していたんですけど「そこで落ちて。川まで行っちゃおう」って言われて。それはまさかと思いました(笑)。ずっとお腹の中に詰め物をしていたんですけど、衣裳さんにはそれをあんまり濡らして欲しくないって言われていて。どっちからもプレッシャーを掛けられながら(笑)。でもああいうめちゃくちゃな感じはなかなかできないですから楽しいですよ。

松尾
でもあの時小道具さんに、薪が重すぎるって言ったんだよ。これから川に落ちる人間にこんなに重いもの背負わせると大変だぞって(笑)それで薪を間引いて、少し軽くしたんだよ。それくらいの配慮はしているんですよ。

■松尾監督は、今回松田さんを主役に選んだ決め手はどんなどころですか?

松尾
普段コメディーをあまりやっていない、けど宮藤(官九郎)の作品にも、僕の作品にも出演しているので、僕が持っているマインドというかスピリットは解ってくれている。そういうことも含めて松田くんがいいだろうなと思いましたね。あと、東京から精神的に病んで田舎にひょっこり入っていく人間なので、青白さというかひょろっとした感じで、スーツが似合う男性。松田くんがスーツを着て、スーツケースをガラガラ引いて田舎にやってくる姿がおもしろいかなと思っていたんですが、考えてみたら、前の「恋の門」の時も道を探しながら登場しているんです。どこからか、ふらっと現れるというイメージですね。
阿部はスケジュールが合ったからですね(笑)阿部は何の役にでもはめてみせるという気概を持ってやっていました。原作では体格のいい村長なので、「太ってくれ」とお願いしたんですけど、なかなか太ってくれないので(笑)お腹に詰め物したり、ひげを生やしてもらったり。その延長線上で、ものを荒々しく投げたり、突然テディベアみたいに座ったりとか、そういうのを足しながら凶暴性を加えていきました。

■撮影現場はとても田舎の地方だったそうですが、町の印象は?

阿部
店が夕方には閉まっちゃて、夜に出歩けないというのはビックリしました。僕らは割と街の方でホテルを取っていただいていたんですけど、松尾さんやスタッフのみなさんは、現場の近くに泊まっていらしたので、大変だったろうなと。お店が夕方の4時半には閉まるんですよ。この町で暮らしているみんなどうしてんだろう?と思って。ひとつだけスナックみたいなお店があったんです。地元の人たちが集まる場所なんですけど、行ってみたら漫画の世界みたいでおもしろかったですね。

松田
現場に畑仕事を終えた地元の方々が軽トラの荷台に乗って見学しに来ていて、その光景がまず東京ではみられないなと(笑)その様子がすごくのどかでいいなと思いました。

■出来上がった作品を見られた感想は?

阿部
試写会ですごい笑いが起きていたので、すごいなと思いました。劇場でもきっとそうなるんでしょうけど、試写会であそこまで笑いが起きてるのを見たことがなかったのでビックリしました。初めて試写を見た方が、それくらい笑っていらっしゃったので、劇場だとみんなすごく笑ってくれるんだろうなと思いました。僕はタイトルが出るところが好きだったんです。かむろば村のすごくキレイな風景が映されていて、松尾さんが人を撮っているところは現場で見ていて知っていたんですけど、風景を撮っている姿はみたことがなかったので、こんないい風景を・・・・(笑)

 松尾
撮れるんだ、って(笑)

松田
初めて観る時は、撮影のことを色々思い出しながら観てしまうのでなかなか客観的には観られないんです。それでも笑えるシーンは声を出して笑って観られました。撮影中、松尾さんから演出を受けている時は、これで本当にいいんだろうか?と思いながら受けていた時もあったので、少し不安な気持ちもありましたが、僕が実際に演じて感じていた時よりも「武晴」のキャラクターが広がったというか、色んな面が見せられてよかったなと思いました。

松尾
試写でこの作品を初めて見る人たちが、こちらが狙った笑いどころでちゃんと笑いが起きているというのはうれしかったですね。僕らコメディーを作って来た人間にとって、お客さんにウケるかウケないかというのはすごく重要で、おもしろいことをやっているのに、お客さんが笑ってくれないということほど恐ろしいことはないんです(笑)。そこがうまくいっていたので、安心しましたし、笑える作品になってよかったなと思いました。

松田
映画館で観て欲しい作品ですね。周りの人が笑っていることが、作品をよりおもしろく見せてくれるから。その空気感をお客さん同士で共有して、声を出して笑って欲しいですね。映画館で大きな声で笑うというと気を使ってしまいそうですけど、そういうことを気にしないでみんなで楽しんで観ていただきたいですね。

 

 

ジヌ_本ポスター_入稿A

「ジヌよさらば〜かむろば村へ〜」
4.4 sat.T・ジョイ博多、KBCシネマ 他 全国ロードショー

原作:いがらしみきお 『かむろば村へ』/小学館 ビッグコミックス スペシャル刊
監督 ・脚本・出演 :松尾スズキ
出演:松田龍平 阿部サダヲ 松たか子  他
〈2015年・日本・121分〉 http://www.jinuyo-saraba.com/
(C)2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』製作委員会