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No.005 寿屋さん

ラララと悲しく歌ったあいつ

 今回のかぶりモノは呉服町にあったエレデ寿屋。ギンギラには「お客様が少なくて、つらいつらいと涙を流す、ツレーデ寿屋さん」として登場。
舞台に現れるたびに「自分を知っている人は手を挙げて」と会場に聞くのがお約束だった。手を挙げる人が少ないと「知らない人ばっかり!だから店に来てくれないのね・・・」と泣き、手を挙げる人が多くても「知ってるなら何で店に来てくれないのよ!来てくれないから赤字なのよ・・・」とやっぱり泣いてしまう。得意技は「閑古鳥の舞」。この技は、悲しい曲にあわせて苦しそうに両手を羽ばたかせるというやつで、そのあまりの寂しさにライバル店のお客様が逃げていく必殺技。ただし、寂しすぎるが故に「ライバルだけでなく自分のお客様も逃げる」という恐ろしい共倒れの攻撃でもあった。勝っても負けてもつらいツレーデ寿屋さん・・・。でも、ツレーデ寿屋さんは最初からつらかったわけじゃない。全盛期には九州一のスーパー「ラララグループ寿屋」として君臨していたこともある。当時、寿屋にライバル心を燃やしていたダイエーの決起集会では、オープニング映像として「宇宙空間に現れたでっかい寿屋マークを、ダイエーマークがレーザー光線でバラバラに破壊し進んでいく」というのを流していたほど(これって嘘みたいな話だけど、ちゃんと関係者に取材した実話!)。「九州一の寿屋」と「日本一のダイエー」が繰り広げる戦いは激しい出店競争となり、皮肉にもその無理な出店がたたり共倒れとなってしまった。ああ、なんてつらい最後だろう。この戦いの中で、福岡の老舗スーパー「ユニード」はダイエーに飲み込まれたが、一時は、寿屋とユニードが提携する動きもあったらしい。
 もしユニードと寿屋が組んでいたら、最強の地元スーパーが誕生していたかもしれない。でも勝者ダイエーが破綻してイオンの援助を受けるようになったことを思うと、最終的にイオングループに飲み込まれる運命は変わらないかな。