福岡で制作された映画『青空コンチェルト』
クジラに希望を託し、未来を模索する物語。

福岡を拠点に活動する小田憲和監督が、山口県を舞台にツアーで知り合った4人の男女が、旅を通じて生まれてくる絆を描いたロード・ムービー。
コロナ禍でクランクアップから一年半がたち、いよいよ7/8(金)からKBCシネマにて1週間の期間限定公開となる。

本作でメガホンをとった小田憲和監督、主演の三好美優が、作品や見どころについて語って語ってくれた。

——映画を拝見させていただいて、さまざまなテーマが盛り込まれた作品だと感じました。どういうことを発信したくてこの作品に着手されたのですか?

小田憲和監督:見ず知らずのメンバー4人が旅をとおして絆を深めていき、4人が刺激し合うことで、それぞれが少し前向きな気持ちになる。そうやって前進できたら幸せだよね、みたいなテーマを持って撮影に挑みました。

——メンバー全員が社会的な問題というか、悩みを抱えていますが、それは脚本を作っていく段階で加えていったことなのでしょうか?

小田:固定概念に囚われている人たちが、旅の中で解放されて色んな価値観に触れることでポジティブに前に進めるようにしたかったので、それぞれのキャラクターに合う設定を作っていきました。

——脚本はオリジナルですよね?

小田:本作で共同監督をしている藤森光波さんの原案があって、それをもとに脚本を作りました。最初は女性3人旅の物語だったのですが、もう少し作品の幅を広げられるように、そして互いが影響し合うことができるようにと4人にして男性も加えました。

——劇中で出てくる旅行ツアーのスタイルが、初めて見る感じだったのですが。

小田:あれは架空のツアーのスタイルです(笑)。もしかしたら実在するかもしれませんが、あの旅のスタイルは僕たちが考えました。

——ツアーで一緒になった人たちとの絆が深くなって自らの人生にも影響を与えるほどになる感じは、実際に今の人間関係の作り方とは少し違っていて、少し前の世代の人たちにはよく起こっていたことなのかなと感じます。

小田:確かにそうだと思います。お互いの距離感を図りながら作っていく人間関係よりも、アクシデント的でも少し本音がでたり、思わず感情がこぼれる、みたいなことを関わった人たちが少しずつ共有していけるのは、僕自身素敵な関係だと思っているんです。それもあってベースが旅にしているところもあるんです。

実は下関で撮影をするというのは、最初の計画にはなかったんです。ちょうどコロナ禍に入った頃から撮影がスタートしていて、それまで時間をかけて準備をしていたのですが、やむを得ず撮影を中止にしました。そこから再び撮影場所を決めたので、大筋は本来作ろうとしていた作品と同じですが、脚本も全く違うものになってから撮影を再スタートしました。でも角島を舞台にしたことで、「クジラ」という存在を希望的なものとして配置できるなと考えました。

——そこまで脚本が変わってしまうと、演じる側としては戸惑いませんか?

三好美優:撮影が一旦中止になったので、状況もわかっていたし撮影場所も変わるとは聞いていたのですが、ここまで脚本が変わるとは思っていませんでした。あれ?稽古をしたあれは何だったんだろう?って(笑)。でも新しい脚本では、私に寄せてくれたというか、なのでより自然に演じることができました。

——三好さんは新しい脚本を読まれた時はどんな感想を持ちましたか?

三好:私自身は、比較的人との距離が近い方なのですが、真理恵は程よい距離感を上手にとってくれる女性だなと思いました。そうありたいなといつも思っていたので、作品になってから改めて観ても、真理恵のような人付き合いのできる人は素敵だなと思いました。私の理想の女性像でもあったので、それに近づけるようにしていました。でも共演者がみんなとても仲が良かったので、無理することなく自然に演じることができたんだと思っています。

——この作品では、それぞれがこの旅を機に、心が変化していく様子が丁寧に描かれていて、どういう世代が観ても共感できる部分があるように感じました。この作品で届けたかったメッセージがありますか?

小田:自分の振り幅を自分で決めて、その中でうまくいかないことを悩んだりしている人がたくさんいると思うんです。僕もそういう時期がありましたし。観てくださった方が、少しだけ前に進めたり、違う扉のドアを開けてみようと思ったり、もうちょっと頑張ってみようと考えてくれたらと思います。そして、人に頼ったり頼られたり、誰かと気持ちを共有できてひとりじゃないんだ、ということを感じてくれたらうれしいです。

——もしかして、監督にもそういう経験があるんですか?

小田:僕はどちらかというとがむしゃらに突き進んじゃうタイプなんです(笑)。でも、遠くに行った友達が頑張っている姿を見たりしたら、なぜだか僕も頑張ろうと思えるんですよ。近くに居る人が全てではなくて、これまで僕自身が関わってきた人たちに力をもらっているんだということはこの作品を作る時に、思い出したりしました。

——ご自身で作品を観た感想はいかがでしたか?

三好:まずは画が綺麗で感動しました。そして、撮影で過ごした山口県のあの場所に帰りたいなと思いました。クランクアップから一年半経って、もう一度見たら以前感じていたこととはまた別の感情が生まれてきました。コロナ禍の一年半を経て、この作品を観て、気持ちがすっきりした感じです。

これから観てくださるみなさんも、きっと懐かしさのような美しい景色に癒やされて、また一歩、それぞれの人生を前向きにできたらと思います。ぜひ劇場で楽しんでください。

 

 

 

 



『青空コンチェルト』7/8(金)〜14(木)KBCシネマにて期間限定公開

【監督】小田 憲和 藤森 光波
【出演】三好 美優 choco 藤森 光波 中尾 新吾 比嘉 すずな 他

https://aozora-concerto.com/