シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、現役銀行員であり映画監督でもある、香西志帆さんと!


kasai

今回のゲスト:香西志帆
香川県高松市出身、在住。銀行員/映画監督。『恋とオンチの方程式』5月以降全国順次公開予定。最新作は、永野宗典主演作『満月のパレード』。

永野
(以下 ) 小さい頃はどんなお子さんだったんですか?
香西(以下 ) 暗くて人見知りで、大人しすぎてイジメられてました。本が好きで、江戸川乱歩シリーズを読んで、『へび一族』という小説を書いてました。暗くないですか?
永 暗いし、おどろおどろしい(笑)。っていうかもうその時期から執筆始めてるんですね!
香 次作は『沼の底からやってきた人』ですから。小学3年生くらいかな。
永 なんでじめ~っと湿度の高いタイトルつけるんですか(笑)。いつまでその暗い感じは続くんですか?
香 中学の時に、私をイジメてた女の子が嫌われ始めて、それを庇った事があったんです。その時に何か勝った気がしたんです(笑)。そこからなんだか吹っ切れて、生徒会長にまで登りつめました。
永 その逆転劇すごいですね! 性格も同時に明るくなったんですか?
香 性格は、同じですけど、吐き出す作品が「少女漫画」へと変わりました。
永 『りぼん』に最年少で漫画掲載したんでしたっけ?
香 14歳でした。まだ一応、最年少記録保持ですね。
永 いまや、銀行員/映画監督っていう、ユニークな肩書きですけど、映画を撮ることになった経緯を教えてください。
香 銀行窓口の勤務を経て「広報」担当になり、社内報を編集できることになりました。全国社内報コンクールで金賞を受賞したりしたのですが…、29歳の時に、このままでは若さもなくなり人生下り坂なんじゃないかという不安で悩んでいて、今から目指せる夢ってなんだろうと思い、「脚本家だ!」と。社内報作れなくなったら、銀行で何をしたらいいのか分からなくて、脚本家になってやめよう!と思ってました。で、脚本書いてたら、映像の知識もいるんじゃないかと思って、脚本の勉強のつもりで映画を撮り始めました。脚本って誰も読んでくれないけど、映像にしたらみんな見てくれるじゃないですか。
永 確かに。「脚本家になって銀行やめる!」って動き出したものの、現在かなり過酷な両輪生活を送ってますけど、監督・脚本に集中しないのには理由があるんですか?
香 毎回撮る度に「映画を撮るので、銀行辞めます!」と部長を呼び出して話すのですが。怒られて、引き止められて、応援されて…。
永 応援もされて(笑)。必要とされてるんですね!
香 ありがたいですねー。
永 今、どのくらい映像・脚本の仕事決まってるんですか? お会いする度にいつもパンク寸前ですけど(笑)。
香 CM1本、短編2本、長編1本、中編1本、来年に長編映画を撮る予定ですかね。
永 もう、銀行員でもなんでもないじゃない(笑)。
香 銀行業務に支障がでそうで心配です(笑)。やりたいなーと思うもの以外は、全部断ってます。
永 今日も仕事終わりに対談に時間割いてくれてますけど、この忙しい日々から解放されたいって思わないですか?
香 私は、1日が2つあると思ってるんです。
永 ほうほう!聞きたいその話!
香 銀行から帰って寝て1つ目の1日が終わり。3時くらいに起きて映像編集して、2つ目の1日が始まり、銀行へ。
永 そうやって二つの仕事を両立させてるんですね。
香 銀行員としてどんなに頑張っても何も残らない気がするし、私は欲張りだから、何か残るものを作りたいし、何か作るなら、楽しんでもらえるものがいい!と思ってやってます。
永 ほー!普通の女の子に戻りたいと思う瞬間はないですか?エステしてお茶して海外旅行いって…とか?
香 映画制作とか脚本書くのって死ぬほどしんどいので、よくそんな衝動にかられますけど、きっと何も作ってない期間を過ごしてたら、時間がもったいない!とか思いそう…。
永 きっと根っからのクリエイターなんですね。今一番何がしたいですか?
香 映画祭に行きたいです!
永 好っきゃなあ!映画人やん、完全に!女の子の一面を引き出そうかと思ったんですが(笑)。
香 スミマセン!

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information  永野宗典 出演情報/舞台 「時代に流されろ!」 3/27(金)~29(日)@東京・本多劇場