シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、シナリオを担当した映画が全国公開される同劇団員の角田貴志と!


今回のゲスト: 角田貴志(すみたたかし)
’04年よりヨーロッパ企画に参加。以降、本公演に出演しつつ、テレビ番組の脚本、イラストやアートワーク、DVDのジャケットイラストなども手掛ける。「煙どろん」というペンネームで、マンガも発表している。

永野(以下 ) ずっとNHK「銀河銭湯パンタくん」という道徳の授業とかで見る人形劇の脚本やキャラクターデザインもやってたりしてますけど、最近シナリオをやった映画が11/8に公開されるんですよね?
角田(以下 ) ちょっと待ってくださいね。
え、タイトル言えないの?(笑)
映画「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」(2019年全国公開)っていうね。今、資料読みましたけど(笑)。知ってました、「すみっコぐらし」の存在?
僕唯一の接点が、姉の家のトイレのトイレットペーパーを使うところに小棚があって、いっつも用を足して出ようとしたら肘が当たって、人形がポロポロ落ちるんですよ。で、なんだこれ?と思ってみたら「すみっコぐらし」って書いてあって(笑)。
実は僕も元々知らなくて。「リラックマ」っているじゃないですか?あれと同じサンエックスっていう会社のキャラで、意識して見たら至るところに「すみっコぐらし」溢れてるんですよ。
僕も調べたら、グッズ売り上げが200億円くらいあるっていう(笑)。
そうなんですよ、映画の前売りがもうすでに死ぬほど売れてるらしいんですよ(笑)。「すみっコぐらし」って隅っこが好きな、あんまり目立ちたくないキャラたちなんですよ。普段はちょっと隅っこにいるような人が共感して愛するキャラクターみたいですね。
すみたっコ的には、やはりシンパシーを?
ええ(笑)。これ小さいお子様とか20代以降の女性が主なターゲットで、4コマ漫画があるんですけど、これが意外とブラックな笑いやってて、男性でも楽しめると思うんですよ。
これ豪華な声の出演キャストがいるじゃないですか?
4コマでは喋ってるんだけど、原作者の横溝さん的には、すみっコたちの声が想像できないと。すみっコファンにとっても急に喋ったらどう思うかな~というのはあるみたいで、今回すみっコたちは一切喋らず、なんですよ(笑)。
おお~(笑)。え?無声映画ってこと?シナリオ書くの難しかったでしょ?
「普通に喋ってる感じで書いてください」って言われて、監督側が、それをジェスチャーとか音楽とか表現を変えて演出してくれてるんです。アニメーション的にも結構チャレンジングなんですよ。
でも、声の出演の井ノ原快彦さん、本上まなみさんはどういう関わり方をしてるの?
すみっコたちがなんせ喋らないんで、しかも結構複雑な展開をする映画なので、伝えるのが難しい所があったりして。ということで、いい塩梅でナレーションをしてもらってるんです。先日、初号試写あったんですよ。バッチし声ハマってました。優しい声と、ちょっとコミカルな所があったり、流石だなと。
作家・角田としては作品はどうだったんですか?
僕が好き勝手書いたものが、綺麗な映像になってくるのは楽しかったです。元の平面的なイラストのテイストは守りつつ、手法がちょっと独特で、3Dの技術を使ってるんです。
へえ~!横溝さんが授業中の落書きで描いたというそのトーンを崩さないまま、映画館で見応えのあるものになってるという。
動きが活き活きしてるんです。で、背景がすごいらしいです。ジブリとかでやられてた方みたいで。技術も見所です。
やりましたね、大仕事ですねこれ(笑)。
こんな大仕事になると知ってたら、好き勝手書けなかったかもしれない(笑)。
日本の映画はハリウッドとかに比べたら遅れてるとか言われてますけど、「すみっコぐらし」はチーム力で独自の突き抜けたものを作ったんやねえ。これは僕たちみたいに知らなかった男性にも観てもらいたいねえ。
これ、まだ決定じゃないんですけど、もしかしたら男性だけ集めたイベントとかもあるかもしれないです。
野郎だけで観る会(笑)。いいですねえ~。最後に、タイトルお願いします。
え~……「すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」。
また読んでますねえ(笑)。覚えてないんですねえ。
間違えちゃいけないんでね。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.81掲載(2019.10発行)