シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、タイムスリップ・ラブコメディ舞台『続・時をかける少女』で共演した戸塚純貴さんと!


今回のゲスト: 戸塚純貴
とづかじゅんき/1992年生。岩手県出身。2011年以降、舞台・映画・ドラマ・CMなど幅広いジャンルで活躍。今年の出演作に映画「ラブ×ドック」、BSプレミアム「PTAグランパ2!」出演予定。

永野(以下 )まず謝っておきたいことがあって…。
戸塚(以下、) やだ、何…?
『続・時をかける少女』の稽古の時、二人で焼鳥いったじゃん。で、ラブコメディの「ラブ」の部分で悩んでるって言ってて。で、呑みながら、台本開いたじゃん?
あっはははは(笑)。
その時、「主演の上白石萌歌ちゃんにスキンシップしたらいいよ」って僕言ったよね?
「触れ」って言いましたね。一番、安易な…(笑)。俺、初めて台本に赤でハートマーク書き込みましたもん(笑)。
次の稽古からそれ実践してくれてて。稽古の最終日くらいのダメ出しで、作・演出の上田くんに「俺、あれ嫌いなんでやめてもらっていいっすか。ラブコメ履き違えてるんで(笑)」ってみんなの前で言われてて。
永野さん、何も言わず下向いてましたよね(笑)。目すら合わなかった。
それを対談の場を借りて謝るっていう…姑息なことをしてるんだけど。
でも、あれがあったから掴んだ部分はありますよ。ああやって動くことでやっぱ、ヒロインの心が動くのがわかりましたもん。
で、どう?一年前にドラマで初めて共演した時に、「僕、ヨーロッパ企画に出るのが夢です」なんて言ってくれて、その夢が叶って、一緒に舞台やってるけども。
元々、ずっとお客さんとして見てたんで、一緒にやってるのが不思議で。でも、プロデュース公演じゃなくて、本公演に出たいなって思いました。
おお~!
何が良いかって、チームワークの良さが如実に作品に出る劇団だなあと思って。幸せな気持ちになる劇団だと思うんですよ。安全というか。
「安全」っていう表現されたのは初めてだわ(笑)。
日本一安全な劇団だと思うんですよ。いま、何が世の中に必要かって、「安全さ」なんですよ(笑)。
え、今回、戸塚くんの周りの感想はどうだったの?
いつにも増してのびのびしてるねって言われますね。
確かにね、戸塚くん独自の表現とか滲み出る人柄から笑いが生まれてた気がしたなあ。ヘンにヨーロッパ企画のメソッドを押し付けなくてよかったなって。
え~、メソッドもっと知りたかったなあ!それ教えなくて永野さん「触れ」は言うんですね(笑)。
ごめん(笑)。2010年にジュノンボーイに選ばれて、のちに俳優の世界に飛び込んだ時って、どんな感じだったの?
デビューして、ヒーローものをやってた頃は全然楽しくなかったんですけど。
でもさあ、人気あってチヤホヤされて、最高じゃん?
それで勘違いもして失敗もしたし。まず、お芝居とか表現することに対する楽しさがまったく感じられなくて…。生意気ですけど、登竜門と言われるような作品も断ったりして、1~2年間、仕事の無い選択をして、むちゃくちゃ腐って(笑)。
じゃ、初めて楽しいと感じた役とか作品は何だったの?
子供の頃に福田雄一監督の『THE 3名様』を観ててすごい好きで。僕はまず福田作品に出ないといけないのかもと思うようになって、どうにか繋がりを持てて、『アオイホノオ』(2014)っていう作品でご一緒できたんです。その後に、また福田監督に呼んでいただき、ショートムービー『出発×泡と羊』という作品に参加して、それがすっごい楽しくて。コメディを作るときほど、自分たちだけが楽しくなってちゃいけないとか、難しさを感じて。でも、それがなんか気持ち良くて。
コメディ作りの原体験がそこに! 転換点だ。
そこからイケメンの役はごっそり無くなりました(笑)。もはやジュノンボーイはギャグになってるから。
じゃあ最後に、今回の舞台を経て、戸塚純貴的に、これからどういう俳優になりたい!みたいな何か変化はあった?
そうですね……ムロツヨシになりたいな、って思いました。
おっと。おべっかでも、ヨーロッパ企画さんのような、ひいては永野さんのような、とは言ってくれず…(笑)。
そうですね、喜劇役者ムロツヨシっすね(笑)。はい。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.71掲載(2018.2発行)