舞台をはじめTVやCM等でも活躍中の竹井亮介さんのコラム。本誌と併せてお楽しみください!


vol.6
私、竹井亮介って名前ですけど、できれば「たけちゃん」と呼ばれたいんです。

子どもの頃、近所の友達はだいたい「りょうちゃん」でした。中学に入ると女子を中心に「たけちゃん」派が増えました。思春期真っ只中の中学生男子は、女子たちからそう呼ばれると、なんか距離感が近い気がして、妙に嬉しかったんです。距離感の近さで言えば「たけい」と呼び捨てにされるのも嫌いじゃない。高校時代の仲のいい男友達なんかは呼び捨てでしたし、中学で憧れてた陸上部のT先輩(♀)も、中2から5年ほど好きだったHちゃん(♀)もそうでした。T先輩もHちゃんも「たけい」の後に、小さな「い」を付け、しかも語尾上げ気味で「たけいぃ⤴︎」って。甦れ、我が青春!T先輩!Hちゃん!好きです!!

名前由来でなければ、「ゴリ」とか。言わずもがな、ゴリラに似てるというところからきています。「ヒバゴン」ってのもありました。未確認生物が紹介されている本に、そういう名の生物が載っていたんです。広島県の比婆山という山に生息していると言われていて、やはり私が似ているんですって。ちなみに今は、カバっぽいと言われます。身体の大きな生物に似がちな私。あはは!ほっとけー!まあいずれにしても、「くん」付けではなく、あだ名や呼び捨てという距離感の人が多かったんです。

それなのに、いつの頃からか「たけいさん」派が多くなり、今となっては「たけいさん」以外で呼ぶ人も数えるほど。もはや、絶滅危惧種!保護だ保護!そりゃ、年を取れば年下の人が増えていくんだから仕方ないかもしれないけど、年下の人たちからも「たけちゃん」と呼ばれたい!ちゃん付けって可愛いし。もっと距離感近づけてー!それが無理なら、もう何でもいいから、とにかく可愛い呼び名で呼ばれたいんですよ!

だから(ってのもおかしいかもしれませんが)、最も身近な年下であるうちの次女にも、「とーさん」の可愛い形「とーくん」と呼ばせていましたが、3歳も終盤になってきて、だんだんと「おとーさん」へと変化。焦る私。ならば小1の長女も併せて「りょーくん」にさせたいと躍起になるも、今さら感が否めず。かつては義理の弟夫妻の息子たちに「りょうちゃん」と仕込もうとしたものの、なんせ親の方が「たけいさん」なのでまったく定着せず。今や小3と小1の甥っ子に「りょうすけおじさん」でもなく「たけいさん」と呼ばれるのにも、すっかり違和感がなくなりました。

んん〜、なんとかしたいよ!人との距離感を!娘たちとの親子関係を!いったい、どうしたらいいってんだ!
あぁ、人生って難しいですね…。

●たけい りょうすけ/早稲田大学在学中は、劇団「木霊」で活動。卒業後は様々な舞台を経験し、1999年、コントユニット親族代表を結成。ぽっちゃりとした見ためを活かした朗らかなキャラクターを演じると、場を和ませ、画面が一気にあたたか味を帯びる。その安定感は、各方面の監督からも信頼が厚い。12/3(火)~12(木)月影番外地その6「あれよとサニーは死んだのさ」@下北沢ザ・スズナリに出演。

◎シアタービューフクオカvol.81掲載(2019.10発行)