舞台をはじめTVやCM等でも活躍中の竹井亮介さんのコラムが連載スタート!本誌と併せてお楽しみください!


vol.3
唐突ですが、皆さん、夏休みの宿題は、余裕を持って終わらすタイプですか?それとも、焦ってギリギリに終わらすタイプですか?私は、完全に後者です。次の休みこそ初日からコツコツやって、楽勝ペースで終わらせてやるぜ!と、毎度思ってるタイプです。
大変だったのは、大学時代の卒業論文。期限である○月○日○時○分の数分前に滑り込みで提出しました。間に合ったという喜びが身体中を駆け巡りましたが、数分後には、提出場所の扉が鍵までかけて閉じられたのです。わずかに遅れてしまった人たちは、扉を叩き切実な声をあげます。「お願いします!就職先が決まってるんです!」と。決して開かれることのない扉の内側にも、その声は悲しく響き渡っていました。そんな怖ろしい光景を見ていたはずですが、それでも、ギリギリ癖は治りません。
このあいだの3月16日、長女が保育園を卒園したのですが、あろうことか、保護者代表謝辞というのを任されていました。常にギリギリの男なのに!数か月前には打診されていましたが、なかなか考え出せず、妻からも急かされるように。
そうこうしてたら、先日北九州公演もあった、カジャラの稽古もスタート。これ、いやな予感。2月の横浜公演を終え、ツアーへ。えっ?いつやるの?この時点で卒園式まであと2週間ほど。そして時期を同じくして、確定申告の期限が!言わずもがな、こっちの方もほとんど手つかずですよ!さあ、どうする?そうだ!ツアー中、札幌で1日オフがあるから、そこでやるしかない!キャリーバッグに領収書の束を詰め込んで、旅立ちました。
謝辞の文面を考えながら郡山から札幌に移動。ホテルに着くやいなやパソコンを開き、深夜に及ぶ作業。ようやく、なんとなく形になったので妻に送って読んでもらうも、賢い妻からは嵐のような修正の指示!参りましたよ、本当に。よし!一旦保留!今度は、山のようにある領収書を整理し会計ソフトと格闘してたら、もう朝でした。
札幌でのオフ。共演してるキャストの何名かが温泉に行くらしく、誘いを受けましたが、泣く泣く断り作業に次ぐ作業。夕方になってようやく確定申告の目処が立ちました。その後、温泉帰りのメンバーと食べたジンギスカンの美味いこと!とはいえ、まだ謝辞の方は考えねばなりません。ホテルに戻ってから、またもや、文面を考えては直すの繰り返し。
そんなふうにして、どうにかこうにか、卒園式を終えたのでした。あ、もちろん、確定申告もね。他の保護者の皆さんからお褒めの言葉をいただけたのは、ほぼほぼ妻のおかげです。ギリギリ癖、治したい!
ちなみに、卒業論文では単位を取れましたが、他の科目で単位を落としたので、その年に卒業することは叶いませんでした。トホホ。
あぁ、人生って難しいですね…。

●たけい りょうすけ/早稲田大学在学中は、劇団「木霊」で活動。卒業後は様々な舞台を経験し、1999年、コントユニット親族代表を結成。ぽっちゃりとした見ためを活かした朗らかなキャラクターを演じると、場を和ませ、画面が一気にあたたか味を帯びる。その安定感は、各方面の監督からも信頼が厚い。映画「ピア~まちをつなぐもの」(監督:綾部真弥)出演

◎シアタービューフクオカvol.78掲載(2019.4発行)