3月5日(日)まで北九州芸術劇場・小劇場にて上演中の北九州芸術劇場プロデュース「しなやか見渡す穴は森は雨」。第9弾となる今回は、2012年に第56回岸田國士戯曲賞を受賞、脚本家・演出家・俳優として多方面に渡り活躍するノゾエ征爾が作・演出を手がける。本作の見どころや、創作について語ってくれています。これから観に行くという方に、既にご覧になられた方も、ぜひ読んでみてください!

★作・演出/ノゾエ征爾(はえぎわ)

最初の構想では北九州ではなく東京を舞台にして、色んな人達がそこで葛藤し生活し、最後に北九州の人達だったって明かすとどうなるかな、と考えていました。離れて気づく事、なくして気づく事、そういう視点から故郷(くに)や人への想いというものを描こうと。でも2日ほど稽古をやって、その構想と何かが合わないなと思ったんです。それで、稽古時間にみんなで北九州のまちを散歩しました。旦過市場とかよく歩くような場所ではなくもっと生活臭のあるところ、あえて見どころがある場所でなく家が立ち並ぶところとか。レトロなものや古いものが点在している感じも魅力は感じるんですけど、もっと思ったのは、装ってない、整理されてない、まんまがあるという感じが凄くあって。息遣いじゃないですけど、何かが沁み込んできて、リアリティが生まれた。それは具体的に脚本にどう活かすというよりは、根底に流れる血として、その衝動から出て来るものだと思います。僕からすれば遠く離れた土地に来て、普段接しない人々と接する中で湧き起こった衝動をちゃんと作品に転嫁していくべきだし、どこに行きつけるのか、今凄く楽しみです。

ストーリーは、具体的にはまだ何とも言えないところがあるんですが(笑)、舞台は北九州にしました。北九州で生活している、特殊なところにいる人というよりは、身近な人達。例えば女子高生とか、普通に街を歩いていたら困った状況に遭遇する男性とか、そういう幾つかの人間関係が派生して大きな群像劇になっていく。何回か北九州に来させていただく中で、何か曇っているような、グレーのようなものをどこか感じていて。曇っている=負のイメージではなく、そこから何か晴れやかに見渡すような感じが作品で描けたらと思っています。僕の作品には穴がよく出てくるんですが、それはハマったり落ちるものだったり、時には生まれるところだったり、光が差し込むところだったり。そういう生きづらい中で光を見ている、見つけられるような作品にしたいなと思っています。

 

【北九州公演=北九州芸術劇場 小劇場】
■3/1(水)19:00、3/2(木)14:00・19:00、3/3(金)19:00、3/1(土)14:00、3/5(日)13:00
■作・演出/ノゾエ征爾
■出演/椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、中薗菜々子、山中志歩、片渕高史(宇都宮企画)、三好美優(劇団ルアーノデルモーズ)、脇内圭介(飛ぶ劇場)、高山実花(モンブラン部)、鈴木隆太、青木裕基(飛ぶ劇場)、中前夏来、橋本隆佑(超人気風族)、森川松洋(バカボンド座)、梨瑳子、原岡梨絵子(劇団ショーマンシップ)、荒巻百合、目次立樹(ゴジゲン)
■料金/日時指定・全席自由
一般3,000円(当日3,500円)
学生(小~大学生/要学生証提示)2,500円(当日3,000円)
≪北九州公演のみ≫高校生〔的〕チケット1,000円(枚数限定/要学生証提示/劇場窓口前売のみ)
■問合せ/北九襲撃術劇場 TEL:093-562-2655 ※未就学児童入場不可