シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、万能グローブガラパゴスダイナモス(略してガラパ)の主宰 椎木樹人さんと!

今回のゲスト:椎木樹人
1985年、福岡県出身。2004年、万能グローブガラパゴスダイナモスを結成、主宰。外部出演も多数。TNC「ももち浜ストア」にレギュラー出演中。7/15・16@北九州芸術劇場小劇場 劇団ヒロシ軍 第14回本公演「誰かのための立ち位置」にも出演。

永野(以下 )福岡ではテレビで見ない日は無いと言っても過言ではない、椎木くん、どうもよろしくお願いします。
椎木(以下、) 朝の顔です(笑)。
永 定食屋のテレビで見かけたよ。福岡の方の日常の一部になりつつあるんじゃない?
椎 そのつもりなんですけど、街ではまだ誰も声かけてくれません。
永 一回も?
 一回も。
永 声かけられないっていうのも稀有な存在だよね(笑)。
 逆に(笑)。
永 でもねえ、ある意味、福岡の小劇場のいち俳優の、ひとつの成功のかたちを提示してんじゃなかろうか?と思ってますけど。
 言いすぎですよ!
永 いや、フロンティアですよ。真顔で言ってますよ、僕。
 …こういうやり方もあるかなーってのは、まあ。
永 でもさ、このままテレビの世界だけ行っちゃう、っていうのもありえる?
 僕の場合は、番組のプロデューサーが、俳優、劇団主宰としての肩書で出させてもらってるので。ありがたいことに。なので、俳優としてもがんばれと言われてます。
永 両立前提の感じなんだね。
 俳優として活躍しないと意味ないと言われてます(笑)。
永 そこはシビアにはっきりとね(笑)。でも、テレビの仕事と劇団の活動との両立って、たいへんだよね?
 大変ですけど、劇団員が応援してくれてるので。支えられてます。
永 なんや、感動だな…劇団員から応援て。でもさ時間的に、劇団活動がやりにくい不自由さ的なものもあるというか。
 不自由さよりも、忙しさを楽しんでます。忙しくなりたいなりたいと思ってやってきたので。
永 ジレンマなんかあるんじゃない? 椎木くん役者個人としての。たとえば、東京で俳優の仕事ができにくいとか?
 あー、でも、福岡でやる意味ってのをより考えるようになりました。
永 「俺はこのままでいいのだろうか…」「本当の俺はこんなはずではなかったのでは…?」
 いやいや、なんで独白調なんですか!
永 ももち浜ストアでは見せない裏側を見せてよ。
 朝の顔ですから!素直にテレビ出れて嬉しいです(笑)。
永 いやいや、これ読んだ人がさ、ももち浜ストア見て、椎木くんの心の声を妄想できる、闇を一瞬、チラッて見せて。
 やめてくだいよ!ただでさえ、演劇関係者からは「無理してる」「疲れてる」「顔色悪い」とか言われるんすから(笑)。 全然、元気なんですけどねー。画面を通すって怖いですね。
永 ガラパの主宰として、ほんとに先陣切ってがんばってる感じがすごい伝わるけどね。まずは、街で声かけられるっていうのを目標に。
 それ!これ読んだ人は、必ず声かけてほしい。OA中に言おうかしら。「おはようございます! 見かけたら声かけてください!」って冒頭で。
永 ムロツヨシも、語尾に「ムロツヨシ」をつけるくらい、自分の名前無駄に連呼してたもんね。居酒屋で「レモンサワーくださいムロツヨシです」って。
 語尾に?長いですね(笑)。僕も、とりあえず名前をカタカナにしようかな…シイキミキヒト。
永 古事記にでてくる神の名前みたいでいいじゃん(笑)。
 でも、僕、事件とかのニュースも扱うんすよね。神目線になっちゃいますもんね。
永 デーモン小暮閣下もさ、悪魔の視点でコメントするし。
 じゃあ、芸名にします。「声かけてシイキミキヒト」。
永 僕も、芸名にしないとかなあ…。
 「声かけてナガノムネノリ」。
永 カタカナにしても、印象薄いな~。「声かけてナガノ☆ムネノリ」。「声かけてナガノムネノリm(_ _)m」。
 あ!記号!顔文字。
永 顔文字入れたろかな…。
 「声かけて(^_-)-☆」。
永 もう名前無しで。想いだけ(笑)。
 切実な感じしますね。声かけざるをえないですね。
永 そうだね(笑)。転機になりそうな対談になったわ。
 そうですね。僕も開き直ってがんばれそうです(笑)。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.67掲載(2017.6発行)