シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、ヨーロッパ企画の舞台で3度目の共演をさせていただく吉川莉早さんと!

今回のゲスト:吉川莉早
1985年生まれ。奈良県出身。GIFT所属。ヨーロッパ企画の本公演、ほかイベントにも多数出演。新作本公演「遊星ブンボーグの接近」にも出演。

永野(以下 ) 昔、吉川さんの芝居を見た時の印象は、情熱的に早口にバババ!ってセリフ吐いて、キレ良く動いてて、ヒロインが似合う女優さんだなーっていう印象でした。
川(以下、) 当時は、長い台詞をお客さんに向かって喋ったり、リズムで相手役とやりとりしたり、パフォーマンスっぽいことをするので必死でした。何かすごいストイックな人って思われることが多かったです(笑)。
 ヨーロッパ企画では、素に近い感じでエチュードから作り上げるせいか、当時と比べたら真逆の、鈍臭い感じの役が多い印象だけども(笑)。もともと、コメディには興味はあった?
 憧れはありました。でも、自分がやるっていうのは、あんまり想像できなかったです。
 本番での「笑いの量」とかは気にするタイプ?
 むちゃくちゃします! 台本をもらって自分が笑っちゃった台詞を、実際、舞台でやって笑いが起きなかった時、 泣きたくなります…(笑)。昔は、お客さんがひいちゃっても、シーンってなってても、「だから何だ!」って思ってました。
 そもそもお芝居には関心はある子だったの?
 全然なかったです。中学がソフトボール部、高校が吹奏楽部で、大学はラグビーサークルのマネージャーで…
 経歴バラバラ(笑)。
 何やっても全然続かなかったんです。お芝居を始めてから、初めて演劇を観に行きました。
 初めて演劇を観て、どうだった?
 舞台のどこを見たらいいかが全然わからなかったです。暗くなって終わったと思ったら終わってないし、人が喋ってる横で、新しい登場人物がくるし、って。
 ちっとも楽しめなかったんだ(笑)。
 ええ。初めて稽古に参加した時も、むっちゃ後悔してました(笑)。こんなに恥ずかしいことだったなんて!って。
 よく続けてこれたね(笑)。「遊星ブンボーグの接近」はすごい吉川さんらしさがふんだんに発揮される舞台になりそうだけどねー。
 うわあ、そうなんですか。
 楽しそう(笑)。それが、観ててまた楽しい。
 楽しいです。稽古はいつだって楽しいけど、でも、今回は気づいたらすごい汗だくになってて。
 緊張してたりするの?
 緊張はあんまりしてないかなあ。
 何の汗?
  最近芝居であんなに喋ってなかったら、「しゃべり汗」かなあ。「いっぱいいっぱい汗」もあります。
 パツパツなんだ。とりあえず、本番楽しみよ。あのね、西村直子(ヨーロッパ企画所属・女優)が、吉川さんのことを文房具に例えると、 「トレーシングペーパー」って言ってて、何を思ってるかすべて感情を読み取れるんだって。実際どう?全部バレてると思う?
 はい。ていうか、私も西村さんのこと全部わかりますよ。私から言わせてもらえば、西村さんは「透明の下敷き」です。
 意外な答えが返ってきたな(笑)。感性が似てるのかな。
 似てますね!「奈良の念」背負ってるんでしょうねえ。
 …「奈良の念」って、何?(笑)。2人とも奈良出身ってこと?
 「元々、都があったのよ」って感じです。「歴史が長い」のよって。
 ちっともよくわからないけど(笑)。っていうか、いつからお芝居を楽しめるようになったの?
 …いつからだろう?自分でもよく分からないんですよね。分からないまま、でもまあいいやってそのままにしちゃって、ずーっと流されながら来ちゃったんですよねー。
 「奈良の念」は関係ある…? 「今に見とけよ…」的な感じで。
 「奈良の念」は 関係ありませんね(笑)。それいったら奈良の人に怒られますね。基本、悩み、不安、ゼロで生きてます。まあ、「奈良の念」も味方だとは思ってますが(笑)。
 あの、正直「奈良の念」はよくわからないままだけども、強い人間なんじゃないかなということはわかった気がします(笑)。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information  永野宗典 出演情報/ヨーロッパ企画第34回公演「遊星ブンボーグの接近」10/31(土)~11/1(日)@西鉄ホール