シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、ヨーロッパ企画とドラマでよくタッグを組ませていただいている瑠東東一郎監督と!

今回のゲスト:瑠東東一郎
「新・ミナミの帝王」「インテリワードBAR 見えざるピンクのユニコーン」「ジョナ散歩」の監督ほか、バラエティ・映画・ドラマ・PV、ジャンル問わず様々な映像作品を手掛けている。

永野
(以下 ) 瑠東さんは、一番一緒に仕事したい監督です。いきなり懐に入り込むアプローチで申し訳ないですが(笑)。
瑠東(以下、) 僕も永野さんにずっと出て欲しくて、片思いし続けてましたから。
 お互い愛の告白からスタートしてだいぶ気持ち悪い感じになってしまいましたが(笑)、瑠東さんてすごい乗せ上手ですよね。こんなのびのびと演技を引き出してもらえる監督に初めて出会えた気がします。現場でずっとニタニタしてますよね?
 バラエティをやっていたのが関係しているかも知れません(笑)。
 はあー、バラエティはニタニタ演出されてるんですか?
 かなりニタニタですし、正直面白く無くても笑います(笑)。
 はは(笑)。
 と言うのはバラエティの場合、ドラマや映画よりもタレントが背負う部分がデカくて、極端な話、現場に放り込んで、後は頼むよ!ってパターンも非常に多い訳で。当然、2テイク目は基本的には存在しないじゃないですか?
 再現できないですもんね。
 なので、現場に放り込む前も放り込んでからも、どのツボを押せばその人が乗るかとか、どっちに転がせばもっと面白くなるのかとか、もしくはどの方向の話を展開させたいとか、取りあえずそこで撮りたいモノを撮りまくって編集すると言う訳です。
 あのニタニタは、ツボの効き具合を見てる顔でもあるんですね。でも僕も、瑠東さんのツボを押しにかかってるところもあるかもです。
 どういう事ですか?
 顔色伺いながら、コメディ加減調整したり、あざといことやったり(笑)してる気がする。
 お互い指圧し合ってたんすね(笑)。僕が撮らせてもらってる時は、可能性の全てを見てみたいと言うか、永野さんなら、どんな風に料理して来るんだろう、と言う期待が常にあって、なのでいつもニタニタしてるんだと思います。永野さんを乗せて爆発させる事が僕の仕事なんで。
 あと、瑠東さんは編集でさらに面白くしてくれるっていう信頼感もありますし。現場と編集で、二段構えで磨き上げてくれる。だから余計に、無茶もできる。
 バラエティーの場合、編集の上手く無いディレクターは信用失うんです。
 ほー!
 どう仕上がるかってバラエティーの場合、よりわかりにくいじゃないですか? 台本もあって無いようなモノなので、仕上がり見て、何であんな現場面白かったのに面白く無いねん、と言う事にもなって。でも、その逆も然りで、あの編集は面白かった!とか、編集信じてるから、任せるわ、とかそっちにもなるんです。
 バラエティ的な感覚でドラマを作ってるのって、すごく面白いですね。いつからですか?映像に興味もつようになったの。
 ん~、実はそんなに昔っから映像が好きだったワケじゃないんです。
 確かに、映像の現場にはいないタイプの、見た目チャラさありますもんね。
 それ関係あります?(笑)。
 チャラさと情熱が、しっくりこないですよ(笑)。
 価値観の問題だと思うんですが 、結局、何がベストか何が一番か、なんてわからないじゃないですか?
 視聴率がよくても、ベストじゃない場合だってあるんですかねえ。
 そうそう。なので僕は自分がカッコ良いな、と思える事をベストにしようって思ってるんです。視聴率を取る為に、ハート無くモノ作ったりとか、自分が面白いと思えない無いモノ作ったりとかって、カッコ悪いなって。
 あ、ちょっとチャラさと結びついた気がする。
 結びつきました?(笑)。
 「カッコ良さ」基準にしてるの、僕から言わせたら、だいぶチャラいですもん(笑)。ゲームとかSFとか、おたくっぽかったり垢抜けない僕らの感じを、カッコよく仕上げようとしてくれてる人って、なかなかいなかったですよ。
 昔っからカッコ良いモノが好きってのはあったかも知れないですけど。『あぶない刑事』で育ったんで(笑)。
「あぶ刑事』ルーツでしたか(笑)。またしっくり来なくなった!

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。
information  永野宗典 出演情報/ヨーロッパ企画新作公演「遊星ブンボーグの接近」キャンペーンイベント福岡編 7/29(水) 19時~@中央区大名・LIV LABO