シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、地元・宮崎でシステムエンジニアやってる親友の毛上裕也と! 超身内でスンマセン!


今回のゲスト: 毛上裕也
1977年生。PIEM(パイエム)株式会社・システムマーケティング部 IT戦略課 課長。同志社大学卒業。ヨーロッパ企画第17回公演「平凡なウェーイ」劇中映像に出演したこともある。

 

永野(以下 ) まず紹介させてもらうと、中・高が一緒で、浪人時代も共に宅浪してて、大学も一緒で、ヨーロッパ企画の公演の劇中映像に出演してたり、劇団とも親交が深いっていう。で、現在の職業は?
毛上(以下 ) IT企業で、結婚式準備システムを開発・販売している会社に勤めてるわー。今、コロナで結婚式が減っているからウチの会社も大打撃。浪人時代は2人で宅浪して、ずっと勉強法について話し合ってたね。深夜3時に「毛上~!」って実家の下に来たのは今でも覚えている。
 まったく受験勉強が手につかず助けを求めに行ったんよね。僕にとっては救世主やったからね、毛上の編み出した勉強法がなかったら大学行けてないから。
 漫画を読むように寝そべって勉強するという勉強法、名付けて「有勉強法」! リラックスして勉強するのが一番で、頭に入ってこなくてもとりあえず参考書を読み流し、とりあえず勉強している状態を作るってやつ。
 この勉強法、どうやってひらめいたん?
 勉強が苦痛なのは机の前に座って、ガチガチな状態で勉強するから苦痛なのよ。漫画は苦痛じゃないやん。だから漫画を読む姿勢で勉強しようっていうひらめき。
 シンプルよね、発想としては。でも、これ聞いたとき、衝撃やったんよね。これやったら勉強できる!って思えたし、何時間でも勉強できた。
 端からみれば勉強しているようには見えず、怠けているようにしか見えない。けどそんな周囲の目なんか気にせず怠けているように勉強する。今も同じように勉強しているよ。
 そういうひらめきは今の仕事でも発揮できてるの?
 会社でもアイデアマンと呼ばれてて(笑)。常識を捨てて、ゼロベースで発想を出すようにしてる。IT技術者はどうしても狭い方向に考えがちなんやけど、僕は常に大きな視点と、IT技術の小さな視点の両面から考えるようにしている
 かっこいいこと言ってるな(笑)。その結婚式の準備システムっていうのは、具体的にどういうシステムなん?
 新郎新婦がクラウドシステムにゲストを登録して、引き出物を割り当てたり、配席できたりするシステム。
 オンライン上でできるってこと? 会わずに?
 簡単に言うと式場に行ってプランナーさんと対面で打ち合わせていたことが、スマホで自宅や移動中にできるって感じ。あと、今進めててるのが結婚式に限定せずに、一般宴会などの人が集まるどんなイベントでも利用可能なシステム!
 このコロナ禍でうまれたの?
 いやいや、コロナは全然考えてなかった。2年前から準備を進めてきて、完成間近になった時にコロナがきて、じゃあ安心して集まれるシステムとして売り出そうってなった。
 はー! じゃあ、今、大打撃うけてるイベント業界を救うシステムや!
 そうなんよ。社内でも今一番期待されているシステム。どんなイベントでも使えるように改修したから。
 どんなイベントってことは、たとえば、ヨーロッパ企画の演劇公演でも使えるってこと?
 どんな特殊なレイアウトでも座席表が作れて、細かくソーシャルディスタンス配席ができる。あと参加者の氏名・連絡先も管理できるから、感染者が出たとしても追跡が可能になる。要するにお客様に安心して演劇を見に来てもらえるシステムだと思ってる。おそらくそういった対策をしている劇団や劇場じゃないとお客様はなかなか劇場に行きづらいと思う。逆にそこまで対応していることを謳えば大きな集客効果になると思うよ。
 ほー! またしても、僕の、というか劇団の救世主になろうとしてるな!
 それもこの間、歩いているときに降臨したひらめきなんやけどね。突然ひらめくんよ。「有勉強法」の時のように。
 近々、ヨーロッパ企画で毛上のところに挨拶に行かないかんかもなー。
 打ち合わせも全部オンラインでやれるしねー。
●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.86掲載(2020.8発行)