シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、なぜか仲良くなってしまった太宰府天満宮に勤務されている馬場宣行さんと!


今回のゲスト: 馬場宣行(ばば のぶゆき)
1977年生まれ。福岡県出身。福岡大学附属大濠高校から皇學館大学で神職資格を取得し、卒業後、太宰府天満宮に奉職。テレビ「踊る大捜査線THE LAST TV」、映画「幕が上がる」に出演。

永野(以下 ) 出会いはなんでしたっけね?
馬場(以下 ) 一番最初はヨーロッパ企画のマネージャーの吉田さんとさぬき映画祭でお会いしたのが始まりですね。本広克行監督から、とても面白い人たちがいるって言われて。その時にムロツヨシさんともお会いして。
で、muro式の打ち上げですかね、僕が会ったのは。その時に、こんなチャラい神職の人がおるんやって、正直、ショックでした。
褒めて頂いて有難うございます!
それ! そのノリ! そのチャラさが腹立つんだよなあー。
いやあ、ありがたい。
いや、褒めてないんですけどね(笑)。呆れてるところです。
実は私普段からあまりテレビも見ないし演劇もそんなに見たことがなくて、ムロさんと出会った時もムロさんを知らなくて…。だからなんの躊躇もなくお話ができたんだと思います。そして、演劇ってこんなに面白いんだと40歳を前にして初めて知って。
さっき「躊躇なく」っておっしゃられてましたけど、映画に出演することも躊躇なかったんですか?
躊躇、勿論しましたよー。
何に出演されてるんでしたっけ?っていうかなんで出演してるんすか(笑)。
『踊る大捜査線 THE LAST TV』と映画『幕が上がる』に出演させて頂きました。いい経験でした。あれ? これ永野さん出てませんでした?
出てないわ! 出たかったわ!ちゃんと相談しました? 職場の人とか、ご家族とか?
宮司に相談をさせて頂きました。
「バカもん!」じゃなかったんすか?
って言われるかと思ったんです。でも、宮司から一言目に、経験しておいで!って言ってもらいました。ただ、神職として恥ずかしくないようにしなさいとも言われました。宮司は私たちに、40歳までは仕事の経験もそうだけど、様々な場所で遊びも含めた経験が自分たちにもお宮にもきっと役に立つはずだと。その代わり、40歳からはその経験を活かして努力してほしいと。ただ宮司が行っていいと言ってくれても、勿論、なんで?って思う職場や同業種の方はいるだろうなと。そこは家族とも相談しました。その中で、もう一つ大事にしてるのが「縁」なんです。人と人とは勝手に繋がるものでなくて、「縁」があるからこそだと。特に私たちはお神様から頂いたご神縁という言い方をするのですが、お話を頂いたことも「縁」なので大切にしたいなと。
ちゃんと、神職であるという立場を、あらためて深く見つめ直す時間が必要だったんすね。一応、確認ですけど、普段ちゃんと神職のお勤めはされてるんですよね…?(笑)
もちろんです(笑)。一般的には皆様の印象としてはお祓いをしているイメージが一番と思うのですが、私達は常々、お神様に国家の平安と国民の安寧とあとご崇敬頂いている皆様の願いが叶うように祈りを続けています。
おおおお、なんか急に身がひきしまるなあ。
神社というのは、「神道」と言って教義も経典もないので、これをしなさいというような教えはないのですが、日々幸せに、健康に暮らしていることをお神様やご先祖さまに感謝をしていくことを大切にしていまして、それを一般の方の代わりにお神様にお伝えするのが私たちの役目なんです。
ぼくらの知らない所で毎日、そんなことしてくれてるんすねー!すげー感謝じゃん!映画に出たりしてたのをやきもち焼いてた自分が恥ずかしくなってきました。とりあえず、今、太宰府天満宮の方に二礼二拍手一礼します。そして馬場さんの映画出演は、神楽と同じものとして観ます。
いいですね、それ(笑)。でも、そういったことも色んな人と出会わないと見えないところも沢山ありますね。自分の考えだけを押し付けるのではなく、出会いによって重なりができてきて、答えが出るというか。
え、馬場さんですよね? 神職モードの時、そんな感じなんですか? 半笑いの馬場さんしか知らなかったから。
今も半笑いです。
腹立つわーーー!!!!

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.82掲載(2019.12発行)