舞台をはじめTVやCM等でも活躍中の竹井亮介さんのコラム。本誌と併せてお楽しみください!


vol.7
明けましておめでとうございます!

お正月は、どのようにお過ごしになりましたか?令和になってから初めての新年。普段のお正月なら初詣に行く以外はダラダラ過ごしがちな私も、せっかくなので抱負を考えてみようかと。
昨年は、ありがたいことに4本の舞台に立つことができました。北九州でも上演した『カジャラ』は、わりと身近な人たちとの舞台でしたが、それ以降の3本は、初めましての方が多く、たくさんの出逢いがありました。出逢うことは嬉しく、幸せなことです。しかし、そこには問題もあるわけで。その問題とは、私のコミュニケーション能力の低さ。
元々の私は、街中で知人を見掛けると、相手に気づかれないようにスッと身を隠してしまうタイプの人間です。見つけた瞬間に目が合わないよう顔を下に向ける、相手との間に必ず人が入るように歩く、行きたい方向ではなくても進む方向を変える。感度いいですよ、街中で知人を察知するアンテナは。本当に上手ですよ、相手に見つからないようにするのが。好きとか嫌いとか、得意とか苦手とか、嬉しいとか嬉しくないとか関係なく、そんなどうでもいい才能をいかんなく発揮して、見つからないようにしてしまうのです。

だって、そこで声を掛けたら、小粋なトークになるんでしょ!?何だ、小粋なトークって!そんなのできないもん!それに、確実に会ったことがあると思って声を掛けたとしても、久しぶりだと名前が思い出せなかったりして、俄然気まずくなりますもん!さらに言えば、相手が私のことを完全に忘れていることだって多いし、その場合にはイラッとしたり恥ずかしかったり、感情が忙しくなりますもん!自分でも思いますよ、ヒトギライなのかって。でもそんなことなくて、時には声を掛けてお喋りします。と言っても、路上での立ち話だっていうのにダラダラ喋って終わり方がわからず、すぐにでもその場を離れたいと思っている相手に多大な迷惑をかけてしまうに違いありません。要はコミュニケーションに対する苦手意識が強いのです。
こんな私とは対照的な人と、最近、月影番外地で共演しました。大鶴佐助さん、26歳。一緒にお酒を飲んでいると、「たけちゃんからパワーをもらって、その後の自分の演技に繋げていけてるので、感謝してます」みたいなことを、本気で言ってくれるのです。素直な言葉だから、心の中にスーッと入ってきます。で、私、感激!打上げの3次会では、女性陣に向けて「みんな可愛い!」って言ってました。変な意味ではなく素直に。演出の木野花さんもニッコニコ!私だって同じ気持ちでしたけど、なかなか言えないですよ、そんなこと。学んだなぁ。47歳が26歳に学んだなぁ。
なので、今年の抱負は素直に伝えるってこと。
人生って難しいけど、少しずつでも前進できるように、頑張りたいものです。

●たけい りょうすけ/早稲田大学在学中は、劇団「木霊」で活動。卒業後は様々な舞台を経験し、1999年、コントユニット親族代表を結成。ぽっちゃりとした見ためを活かした朗らかなキャラクターを演じると、場を和ませ、画面が一気にあたたか味を帯びる。その安定感は、各方面の監督からも信頼が厚い。NHK BS『山本周五郎ドラマ さぶ』に出演。

◎シアタービューフクオカvol.82掲載(2019.12発行)