舞台をはじめTVドラマ等でも活躍中の女優・池谷のぶえさんのコラム。本誌と併せてお楽しみください!

vol.14

SSNN。前回書きました謎の膝痛、その後も痛みが増し、一時は家の中を移動するのもヒーヒーいっていたのですが、ある日仕事で訪れた土地の神社に時間つぶしに散策に行って、戻ってきたら、なんと、完治していました…。
しょっぱなからホラーですみません。できれば、すっかり寒くなりましたね~などと季節のご挨拶から始めたかったのですが、私の人生だってそうそう長くはないでしょうし、「Sすっかり S寒く Nなりました Nね~」と、省略して冒頭に記載いたしました。いずれこのコラムもアルファベット一色になるかもしれませんが、その時は、あぁ…池谷さんいよいよ時間がないんだな…とお察しください。
さて結局、季節のご挨拶よりも長く説明で行を費やしてしまいましたが、続けましょう。すっかり完治してしまった次の日が膝痛専門病院での初診で、激痛時代に撮影したMRIを見てもらうと半月板損傷とのこと。画像にもあきらかに亀裂が入っている。これが原因だったのでしょうなぁ…とは思うのですが、病院にいる時点では全く痛くない…苦笑いし合うしかない医者と患者。しかし、半月板が損傷している以上、今後のケアは必要なわけで。骨盤矯正に続き、床生活をやめ椅子生活、体幹クッション、自動で筋肉運動してくれるパッド、インナーマッスルを鍛える運動…など、生まれて一番自分の身体と向き合っています。
そんな様子を気にしてくれた方から、インナーマッスルを鍛える道具があると勧められました。缶コーヒーを2本縦につなげたくらいの大きさで、表面はムニュツと柔らかい感触の棒。椅子に棒を置き、棒の先っちょが股部分より少しだけ顔を出すような体勢で座り、何種類かの呼吸法をしてから立ち上がると、腰の位置が高くなるような感覚になり、徐々にインナーマッスルが強くなるそうなのです。「稽古中とかも、棒の上に座ってるだけでも違うかもしれませんね」と言われ、「そうですね!」と答えたものの、ちょっと待て…私がある日突然、謎の棒を股の間から少しだけ出して座りながら、お稽古を真剣なまなざしで見ていたら、人はどう思うのだろうか…。「池谷棒」と題されたグループLINEでささやかれ続けるに違いない…。こっそり写真など撮られてInstagramで「#池谷 #棒 #やばい」などとならないだろうか…。いやしかし、背に腹は代えられないのだ。手配してもらいましたとも、棒。
今後私が股から棒を覗かせていたとしても、決して悦楽のためにやっているわけではないということをここに記しておきます。「ゲゲゲの先生へ」北九州公演は、棒とともに向かいます。ぜひ観にいらしてください。棒をではないですよ。

いけたにのぶえ/1971年生まれ、茨城県出身。俳優。幻の劇団「猫ニャー」出身。舞台を中心に活動中。

◎シアタービューフクオカvol.75掲載(2018.10発行)