シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、ヨーロッパ企画20周年ツアーでご一緒する城築創さんと!


今回のゲスト: 城築創(きづきはじめ)
1990年12月28生。東京都出身。劇団プレステージ所属。主な出演作は、TVドラマ『男の操』『記憶』、舞台『劇団献身 第10回本公演「俺は大器晩成、~四十にして大輪を咲かせる予定~」』など。

永野(以下 )以前、役者になったきっかけを聞いたら、激しめに答えるのを拒否されたことあったけど(笑)、聞いていい?
城築(以下、) 浪人時代に友達がやってる芝居を見たのがきっかけなんですけど。演劇とか全く興味なかったんですけど、中高時代、表現がうまくできないというか、喋りたい気持ちはあるけどうまく喋れない、みたいな感じがあって。
快活な青年ではなかった、と。
演劇やれば、セリフあるし…これならいいなあ、セリフあるから。って、これ言っててめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど…(笑)。
その友人が気持ち良さそうに感情を表現して、いいなあと思ったんだ。
あとモテそうだな、と。
ここまで続けるっていうのは考えてなかった?
演劇やりながらも別にモテず、ウダウダと続けてて。当時、むちゃくちゃ好きな子がいたんですよ。で、4回くらい告白して無理で、最終的に5回目くらいに言われたのが、「経済的に不安すぎる」みたいな(笑)。
痛いところ突いてきたなー!
ヤバ!って思ったんですけど、そこで僕、就職っていう道よりも、逆に、演劇を職にしようみたいな気持ちになって、事務所を探し始めた感じなんですけど。
どういう存在なの、劇団プレステージでは?
イケメンの方たちが多い中で、僕は飛び道具的なポジションで。
異色な新人が入ってきたぞって感じだよね。
当時プロデューサーも、イロモノを探してたみたいで。具体的に言うと、デブの歌えるやつを探してたらしく。僕、歌うたえないんですけど(笑)。ただチビの変なヤツが入ってきたっていう。事務所的にもあまりいないキャラだったので、入った当時は新入社員と思われてたみたいで。
でも僕もさ、チビ俳優としてシンパシーを感じてる訳よ。150cm台の俳優とあまり出会えないよね? しかも僕より小さいというのが逆に嫉妬を覚えるという(永野158cm、城築155cm)。
お互い何回も身長を確認し合いましたよね。
でも僕ら、チビジャンルのなかでも被らないよね。城築くんはまた、フォルムが独特だし、極めて特殊な動きしてるよ。
あんまりコントロールできない…。
その制御できてない感じが良いよね。そこに城築くんが内に抱えた鬱屈した何かを感じちゃうんだよね。
ヨーロッパ企画さんに参加させてもらって、会話って楽しいんだなって思いました。
なにそれ(笑)。
20代前半の頃とか、セリフしか喋ってなくて、日常生活でも「はい、いいえ」以外言わないみたいな。
そんなにお喋りにコンプレックスあったんだ。でも、気持ちのいい演技をする人だなっていう印象よ。まさか日常生活からの反動からきてるとは。その反動エネルギーはいい感じに表現に結びついてる気がしますけどね。狂気を感じる時がある(笑)。
永野さんは、いっぱい暴れても怖く見えないからいいっすよね。小動物みたいで。僕、弾丸みたいなんで(笑)。
対談野郎史上ようやくチビというフィールドで語り合えてるわ。ずっとチビ?
むちゃくちゃイジられてて。熱血系の先生が、これイジメなんじゃないかってなって学級会が開かれたこともありました(笑)。
僕もずっとチビだったけど、小5くらいから第二次性徴期がきて、一番チビから一番背高くなって、モテ期きて、二枚目キャラ気取ってたけど、中1の夏にみんなに背を追い抜かれて、また一番チビになって。
うわーしんどいっすね!特殊なチビ遍歴ですね。僕も小学生の頃ちょっとモテ期で。運動出来て頭も良くて、文武押さえてたんで。高校くらいに「文」も際立たなくなり…どんどんイジられる方にシフトしていきましたね。
この痛みを共有できる人なかなかいないから。…傷を舐め合うような、みっともない対談になってしまったけど(笑)。分かち合える数少ない役者仲間として、必要な時間だったと思うよ。
勇気でましたねえ(笑)。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.74掲載(2018.8発行)