舞台をはじめTVやCM等でも活躍中の竹井亮介さんのコラムが連載スタート!本誌と併せてお楽しみください!


vol.1
初めまして!この度、こちらでお世話になります、竹井亮介です。
本名ですが、この「竹井」という名字、実はそれほど気に入ってません。全国の竹井さんすみません!でも、画数が少なくて間が抜けてる気がするんです。いちばんの問題は、46年の半生で数えきれないくらい書いてきたのに、どうにも上手く書けないこと!特に「竹」が!先日も後輩の結婚式でヘタな筆文字の入った御祝儀袋を渡す時、情けなくて、一瞬だけお祝いの気持ちがガタ落ちしました。

それに「竹」は「武」に間違えられがちだし、有名な朱肉なしで押せるハンコにも「武井」はあるのに「竹井」はないので特注だし、高校の部活仲間の桜井君にも「武井」の音読みで「ぶい、ぶい」と呼ばれてたし。私だってブイブイ言わせる高校生活を送りたかったっつうの!極め付けは、松竹梅の真ん中で中途半端!もう!「竹」め!
「井」にしたって、日直の時に黒板に書かれた「井」の字でマルバツゲームをされたり、真ん中に点を打って「丼」にされたことも数知れず。人の名前で遊ぶな!

本名が気に入らないなら、せめてお仕事では芸名にしちゃおうかしら。以前、姓名判断の先生に見ていただいたら、画数が良くないので、俳優をやっていくなら変えた方がいいとのこと。一念発起!芸名だ!でも私にはセンスがないしなぁ。
名付けのセンスといえば、コントの師匠である故林広志さん。もちろん本名ではありません。以前、彼のお誕生日に、ケーキ屋さんでプレートをお願いしたことがありました。メモに書いてこの名前でとお願いしたら、「故」と「林」の間に、微妙に空間を空けて、且つ、「故」の字をわかるかわからないか程度に小さく書いてくださったんです。きっとケーキ屋さんも、亡くなった人にお供えするのかどうか、相当悩んだに違いないと思うと、可笑しいやら申し訳ないやら。こんなの、もうコントじゃないですか!おそるべし、故林さんのセンス!とてもかなわない。

でも俳優をやっていくために考えなきゃ!画数から考えるのは難しいから、まずはなりたい自分や好きなものを思い起こしてみよう。好きなものは、ラーメン、白米、…そうだ!白米はどんな個性にもマッチする!そんな俳優になりたいぞ!白米と言えば、おにぎり!おにぎりにまつわる名前…「オニギリリョー」だ!オダギリジョーさんみたいで格好いい!でも私にその格好良さは不要か。

他におにぎりといえば…あっ!「ぼ、ぼ、僕は、お、おにぎりが好きなんだな」のあのドラマで流れる「野に咲く花のように〜♪」という歌から拝借して、「野咲花様(のざきかよう)」だ!杉咲花さんみたいで可愛い!しかも領収書を頼んだ時に「様」の扱いで店員さんがちょっと迷いそうなあたり、故林さんにも劣らない名前になりそうだ!でも私にその可愛さは不要か。あぁ、自分にがっかりです。
やはり私には故林さんのようなセンスがないので、「竹井亮介」で頑張っていこう…かな?

●たけい りょうすけ/早稲田大学在学中は、劇団「木霊」で活動。卒業後は様々な舞台を経験し、1999年、コントユニット親族代表を結成。ぽっちゃりとした見ためを活かした朗らかなキャラクターを演じると、場を和ませ、画面が一気にあたたか味を帯びる。その安定感は、各方面の監督からも信頼が厚い。コント集団カジャラ 第4回公演『怪獣たちの宴』(2019年3月29日(金)〜30日(土)北九州芸術劇場)に出演。

◎シアタービューフクオカvol.76掲載(2018.12発行)