シアタービューフクオカのコラムで誌上最長連載を誇るヨーロッパ企画・永野宗典氏。
ゲストを迎えての対談形式コラム。
webでもダブル掲載!本誌と併せてお楽しみください!


限られた字数制限の中、所狭しとお送りするショートショート対談。今回のお相手は、作年秋~冬、ヨーロッパ企画の舞台で共演したハイバイの川面千晶さんと!


今回のゲスト: 川面千晶
かわもちあき/1988年生まれ、兵庫県出身。2011年に上京し劇団「ハイバイ」の劇団員となる。近年の主な出演作品に【舞台】『クヒオ大佐の妻』【映画】『白ゆき姫殺人事件【ドラマ】『スーパーサラリーマン左江内氏』など出演作多数。

永野(以下 )お姉ちゃんもお芝居やってたのよね?
川面(以下、) 元々はお父さんもお母さんもお芝居やってて。
あ、そうなの!?
で、地域の児童劇団みたいなところにお姉ちゃん入ってて、私も小学2年生から入って。それから、昔、親が行ってた劇団に子役で入って。で、また別の、おじいちゃんとおばあちゃんとおばちゃんだけでやってる劇団に行って。
 へええ~!
 そこが結構、松田正隆さんの戯曲とかやったり攻めたことやってて(笑)。その頃から現代口語演劇に目覚めて。
 それはいつ頃?
 高校一年とか。それまでは絵本を演劇にしたような作品ばっかりやってたんですけど。
 芸歴長いよね…(笑)。
 そのおじいちゃんおばあちゃんがやってる劇団で、発声、ストレッチとか全部教えてもらったりして。スタニスラフスキーとか。そっから自分で劇団をやりたいって思うようになって。高校も演劇のコースで、そのメンバー5人で劇団を作ったんですね。
 精力的にやってんねえ…。
 精力的に演劇が好きで(笑)。
 ギャル風のルックスのせいか、斜に構えて演劇界に片足突っ込んでる人やと思ってた。
 お金出し合って劇場借りて、スタッフさんも雇って、自分で書いて演出して、やってたんですよ。
 川面千晶、作・演出?
 そうです。3回公演くらいやって。いっちょ前にチケット2000円とかで。
 ヨーロッパ企画旗揚げ、チケット200円だったけど(笑)。
 変なプライドあったんですよ(笑)。「それぐらいのものやってるし!」みたいな。やってないんですよ、実際は(笑)。で、大阪芸大舞台コースに入って、大学のメンバーとまた劇団を作るんです。3年生くらいで辞めて、外部の劇団とか出るようになって、で、卒業して、ハイバイですね。
 濃厚だな、演劇人生。思ってた以上に演劇に全身全霊捧げてる人だったな。趣味が他にもたくさんあって、ブティック通いとかしてそうだけど。
 ブティック(笑)。まあ、しますけどストレス発散で。
 演劇から一歩距離置いてるからこその川面ちゃんの演技スタイルだと思って見てたから。
 初めて東京で芝居出た時、俳優の古舘寛治さんに「一番演劇をやらなさそうな人種が入ってきたな」って言われました。今よりもっとギャルだったんで(笑)。ヨーロッパ企画に客演させてもらった時、稽古とか不安じゃなったですか?
 ハイバイの価値観とヨーロッパ企画の価値観がぶつかったりするんじゃないか?みたいな不安が無くはなかったけど、稽古みて、すごくホっとした。俗っぽさというか、ストリートの感覚の言葉でエチュードして、それがしっくりきて作品に反映されてたし、劇団員だけでは出せないシーンが作れたから。練習は苦じゃない方?
 全く苦じゃないですねえ。10~22時の稽古でもいいぐらいの。
 意外やけど、なるほどだわ! 芝居もすごく練られてるし、役の心情を動きに組み込んで笑いに持って行くし、観客のキャパにギリギリ届く声量でボソっとセリフ吐いたり、若いのに職人さん!?…って思ったもんなあ。技のデパート感がすごかったなあ。
 でも皆さん演劇筋肉ムキムキだなって思いましたよ。
 演劇筋肉(笑)。
 稽古場ではただアドリブでエチュードしてワイワイしてただけなのに、気づいたら劇的な作品になってて。決して作・演出の上田さんだけがそうした訳ではなくて、全員がある時、急にギュイーンってその方向に向かって立体の演劇に仕上げていったような感じがして。その過程を特等席で見させてもらったような。3カ月間ドラマチックでした。
 ツアーの途中で「終わりたくない…」って言ってくれてたもんね。絶対そんなこと言わなさそうなドライな人やと思ってたけど。
 来世はもうちょっと、誤解を招かない人に…(笑)。

●永野宗典(ながの むねのり)/’78年生まれ、宮崎県出身。’98年、上田誠らと共にヨーロッパ企画の旗揚げに参加。以降、全作品に出演。

◎シアタービューフクオカ vol.69掲載(2017.10発行)